シュタインズゲートゼロ共通ルート2つ目のチャプタ『閉時曲線のエピグラフ』のシナリオ感想・解説を書いた記事です。
この記事の目次
【閉時曲線のエピグラフ】はどんなストーリー?
零下域のミッシングリンクからこのチャプターまでがシュタインズ・ゲートゼロのプロローグです。プロローグなんでまだ話は大きく動きません。
物語としての「閉時曲線のエピグラフ」は紅莉栖を救えなかったトラウマのため厨二病をやめた大学生・岡部がアマデウス紅莉栖のテスターとして過ごす日常をメインで描いています。
また、そんな岡部を絶対に説得しシュタインズゲートの入り口に連れて行くことで悲惨な戦争が起きた未来を改変したい阿万音鈴羽の強い想いや、
紅莉栖の死に複雑な想いを抱きつつテスターに選ばれた岡部に嫉妬する比屋定真帆の心境も語られています。
そしてなぜかサブキャラのフブキ視点でのエピソードまで含まれており、岡部、フブキ、真帆、鈴羽の4人視点の入れ違いでシナリオが展開するため少々ごちゃごちゃした印象があるチャプターですね。
【閉時曲線のエピグラフ】感想
・生きている紅莉栖が出てくる数少ないシナリオなのがレア!真帆の回想シーンではありますが前作シュタインズゲートにはなかった日本へ留学前の紅莉栖と真帆のやりとりが新鮮でした。
ゼロでアマデウスじゃない紅莉栖が出てくるのはエプグラフと二律背反のデュアルくらいなもんです。
・鈴羽と岡部の話が重いです。シナリオのシリアスさにキャラも引っ張られている感じ。岡部のかつてのイキリっぷり(褒め言葉)は見る影もないない生真面目系なネガティブ青年になってるし。
鈴羽はβ世界線の未来が悲惨すぎてもうね。生い立ちがSERNのディストピアで育った前作よりも悲壮さを帯びていているため冷徹かつ真面目。
α世界線の明るくて自転車大好きでちょっと現代の常識がなくてズレてた鈴羽はどこにもいないのが寂しいですね。
そんな中でフェイリスとダルはブレないでぶっ飛んでいたのが嬉しかったですね。フェイリスは中二病ノリノリキャラですし、ダルもHENTAIエロゲオタで安心したw
ネタバレ「閉時曲線のエピグラフ】」ストーリー解説
【閉時曲線のエピグラフ】の意味は同じ時間のループ
『エピグラフ』は本の巻頭や章初めに引用される題辞や詩などの一節で、同じタイトルの小説から取ったサブタイルトルですね。
【閉時曲線のエピグラフ】の言葉の意図を簡単に言うと、このチャプターで岡部が行動しないと延々と同じ時間の流れをループするぞ!という意味ですね。
『閉時曲線』は未来の先が過去に繋がっているとする時間モデル。閉じた時間の環。これはタイムマシンの介入によって過去と未来がつながってしまった事を表しています。
ループを具体的に言うと、
β世界線では未来の第三次世界大戦で50億人以上が死亡。
→悲惨すぎるから鈴羽がタイムマシンで2010年に介入。
→鈴羽は岡部に過去を変えて欲しいが岡部はトラウマで動けない。
→岡部が動かなければ未来で第三次世界大戦が起こり50億人以上が死亡。
→悲惨すぎるから鈴羽がタイムマシンで2010年に介入。
→鈴羽は岡部に過去を変えて欲しいが岡部はトラウマで…………..
…………..と延々と閉じた時間、メビウスの輪をループすること暗示してます。オカリンが頑張らないと人類は何度も第三次世界大戦を繰り返すという悪夢のループにハマるわけです……。こりゃあ地獄より酷い。
岡部の催眠療法と、まゆりの『スズさんを笑顔にしよう大作戦』
2010年11月末日。メンタルクリニックで治療を受けるオカリン、催眠療法に
かかり紅莉栖の最期がフラッシュバックする。
「俺が!!俺が刺した!!!」
と絶叫するオカリン。そんなこと公でカミングアウトして大丈夫か?なんてお思いますが…..。
慌てて催眠状態を解除する心理士。オカリンのライフはずっと0です…。病院帰りのオカリンを迎えにきてくれたまゆり。フェイリスとルカ子も合流。テニスサークルに入って合コンしてるんだぞと得意げに話すオカリン。
合コンというワードを聞いたフェイリスは、
「フェイリスというものがありながら他の女の子と楽しく合コンだなんて…。許せないニャ!」
と文句を言う。「許せないニャ!」の言い方wwいつもの超音波のように高い声が急に低音に。相変わらずフェイリスは芸人気質で面白いです。
まゆりが提案した『おぺれーしょん』【スズさんを笑顔にしよう大作戦】
『ゼロ』の鈴羽は子供のころから徴兵されて、何度も激しい戦闘をくぐり抜けて来たせいで凛々しい性格。前作のちょっとユルくて元気っ子の鈴羽とは違う。
戦時下という過酷な境遇で育ったため、心の底から笑うことが無くなってしまった。そんな彼女を喜ばせるために、ラボでクリスマスマスパーティーをしたいと話す。
他人のために尽くす事が自分の喜びになるまゆしぃはホントにいい子です。
まゆしぃマジ天使。
アマデウス“紅莉栖”との馴れ初め
和光市。真帆たちのオフィスでアマデウスの“紅莉栖”と対面したオカリン。
“紅莉栖”の「はじめまして」にショックを受ける岡部。刺殺のトラウマのせいで、ひどく緊張し、うまく言葉がでてこない。レスキネン教授に「what’s up?」
と話しかけられ、残念な英会話を披露すると“紅莉栖”から
「岡部さん……ひどい英語ですね…」
とAIに突っ込まれる岡部。つい以前のような調子で
「黙れ!クリスティーナッ」
と切り返す岡部。真帆と“紅莉栖”があ然とする。
「何で私が『クリスティーナ』なんですか?」
と突っ込むアマデウス紅莉栖。興味を持つと前のめりになって訊いてくるのが紅莉栖らしい。
レスキネン教授の依頼で岡部は“紅莉栖”と対話をする『テスター』を引き受ける。スマホからヴィクトリルコンドリア大学のサーバーにアクセスでき、“紅莉栖”と話す事ができる。何て羨ましいんだオカリン。
【リーディングシュタイナー】フブキの見る悪夢
まゆりはコスプレ友達のフブキ、カエデ、由季と買い物の帰りだった。
フブキこと中瀬克美はまゆりと同い年の明るいジャージ少女。α世界線の鈴羽とちょっと被るけど、α鈴羽よりノリの軽いお調子者キャラでオタクガール。
更に百合属性持ちでありヘンタイ要素もあり。ダルをヘンタイの【危険人物】呼ばわりしてて噴いた。けどフブキ本人も
「家にお持ち帰りしてまゆしぃをペロペロしたーい」
とか本人を前にして言っちゃうあたり、あまりダルと大差がないがないような…。そんな彼女が、由季と別れた後にシリアスな顔でカエデに打ち明ける。
「まゆしぃが死んじゃうんだ…」
何でも、夏くらいから毎日色々なパターンでまゆりが死ぬ夢を見るという…。これはα世界線で岡部が経験した、まゆりの死のループ。彼女も岡部のようにリーディングシュタイナーの能力を持っているようだが…。
鈴羽とダル
▲ダルのHENTAI軽口に対する軍事鈴羽の厳しい突っ込みが笑えます。ダル鈴羽親子は最高。
オカリンが“失敗”してから2010年に残った鈴羽。父親のダルとラボで寝泊まりしていた。ダルは相変わらずのメタボにも関わらずカップメンやお菓子漬けの食生活。
さらに昼頃起きてから1日中ネットかゲームをしてゴロゴロしてる。何という駄目人間。そんな父に鈴羽はキレ気味。銃で脅すフリをしてダルを叱る。「ひいいいいい!!」と怯えるダルに噴くw
夏コミマ以来、まゆりやダルと友人になった“阿万音由季”がまゆりに会いにラボにやってきた。彼女は未来の鈴羽の母親になる女性だ。鈴羽は『タイムパラドックス』の発生を恐れて母親との接触を控えていた。
まゆりを待っている間、ダルと由季が2人きりに。由季はダルのことを気にかけているのだが、何やらダルが挙動不審。ダルはキモオタだが女子が苦手ということは全くない。まゆりやフェイリスと普通に話すし、むしろコミュ力は高い。
しかし何故か、由季を前にすると緊張して、ぎこちなくなるダルであった。
鈴羽の願いとオカリンの恐れ
鈴羽と顔を合わせるのを避けていた岡部だったが、アマデウス“紅莉栖”にせがまれて何ヶ月かぶりにラボに足を運ぶ。あれ以来、過去に翔ぶことを拒絶している岡部。だが鈴羽はそのことを怒る様子はない。
オカリンを責めるどころか、彼のことを気遣う優しい鈴羽。TVのニュースで
ファッションブランドの開店イベントに並ぶ女性客が映る。その映像を見て
「平和だね…こんな光景はあたしの時代には存在しなかった。」と鈴羽。
彼女の生きていた未来ではタイムマシン開発競争が原因で【第三次世界大戦】
が勃発。徴兵された彼女は狂気に身を任せ、敵兵を殺し続けるしかなかった。
タイムマシンを開発していたダル達『ワルキューレ』に加わってからはテロリストと見なされ警察や治安部隊に追われ、もっとひどい戦闘が続いたという。
「この世界線の行き着く先は地獄しかないんだ…。」
その瞳を涙で濡らしながら訴える鈴羽。オカリンだってわかってる。
岡部は鈴羽の願いを絶対に聞くべきだと理解している。しかし紅莉栖を救うことを考えると、紅莉栖を刺した時の光景が目の前に現れ、全身の震えや吐き気が彼を襲う。頭では鈴羽の願いをわかっていても、感情と体がそれを激しく拒絶する。
「タイムマシンで過去を改変するのはこの“宇宙の仕組みから逸脱する”ことだ」
岡部は戒めのように話す。実際オカリンはタイムマシンに関わったラボメン達が悪夢のような出来事に襲われる様をずっと目の当たりにしてきました。
そして彼が歪めた時空を元に戻すためには彼自身が友人たちに過酷を強いる選択をしなければならず、あまつさえ、最愛の女の子を犠牲して今の世界線にたどり着いた。
再び過去改変というインチキに手を出せば、世界を構築するシステムからもっともっと恐ろしい報復を受けることになる。少なくとも岡部はそう考えている。
“ルミねえさん”と忍び寄るライダースーツ
夜のラジ館で鈴羽はかがりの事を考えていた。オカリンをシュタインズゲートに導く為に2036年から一緒に脱出してきた少女・椎名かがり。以前、鈴羽とかがりは1975年に立ち寄っていた。
目的は『IBN5100』の回収。その入手目的は明かされません。前作におい『IBN5100』はα世界線を脱出するために必要なアイテムでしたが、ここはβ世界線。β鈴羽がこのレトロPCを探してるのは何故でしょうか?
鈴羽が物思いにふけっていると、ラジ館に誰かがやって来た。鈴羽は最初ダルかと思ったが、それはネコミミを付けた小柄な人物だった。
「なんだ。ルミねえさんか。」
「ルミねえさんって誰のことかニャ?」
「ルミねえさんは、ルミねえさんだよ」
「フェイリスはフェイリスだニャ!」
フェイリスは秋葉原一帯に影響力を持つ立場を利用しマシン隠蔽に協力してくれていた。
「この世界のエレメンタルを“バイアクヘー”の魔の手から守るために協力するニャ!」
相変わらずのフェイリス節炸裂。幼い頃から留美穂を知っている鈴羽だったが、昔から彼女の厨二病にはついていけない。そんな雑談をしていた時、何者かの足音を聞き取った鈴羽。
速攻で追いかけるものの、ラジ館の階段にトラップを仕掛けられ、階段から転がり落ちる鈴羽。真っ黒なライダースーツとフルフェイスのヘルメットの人物はバイクで逃亡。マシンのことが第三者にバレている…。マズい状況です。
『閉時曲線のエピグラフ』からのルート分岐
ゲーム的にはこのチャプター終盤の岡部の選択によって、まゆりルートとアマデウス“紅莉栖”ルートへ世界線が分かれる分岐ポイントです。柳林神社で“紅莉栖”と話すシーンで、シナリオが2つに分かれます。
オカリンが一方的に電話を切った直後、“紅莉栖”から着信がありますが
着信に出るとそれ以降のシナリオはまゆりルートにつながるルートにつながります。
▼アマデウス紅莉栖ルートへ
▼まゆりルートへ
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