2017年からスタートした映画「エウレカセブン」3部作の第二弾『ANEMONE/エウレカセブン ハイエボリューション』を観てきた感想・評価を書いた記事です。
この記事の目次
『ANEMONE/エウレカセブン ハイエボリューション』第二弾は面白いんでしょうか?
第一弾の『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』はなかなか良い部分があったものの上映時間の多くを締めるTVアニメの流用部分が酷評されました。
▼参考:エウレカセブン関連作の簡単評価
タイトル | 媒体 | 内容 | 評価 |
「エウレカセブン」 | TVアニメ | エヴァに影響を受けたロボットアニメ。音楽にこだわっている。設定や用語が小難しいがちゃんと盛り上がるシナリオで要所要所で凄く面白い回がある。 | ◎ |
「ポケットで虹が一杯」 | 映画 | TVのキャラクターはそのままに設定を変えたリメイク版。大改悪されていて元祖と別物 | × |
「ハイエボリューション1」 | 映画 | TVアニメに新規映像を加えてシナリオを変えた再構成版。冒頭の戦闘シーン・主題歌は◎ | △ |
「アネモネ/ハイエボリューション2」 | 映画 | ? | ? |
「ハイエボリューション3」 | 映画 | ? | ? |
アネモネが主役の完全新作?
2は人気キャラのアネモネにスポットを当てたストーリーになっているようです。
少女アネモネを描く新ストーリー、開幕 時代とともに進化する『エウレカセブン』シリーズ。 2017年秋より開幕した『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の第2作が2018年11月に公開となる。 少女アネモネを描く本作により、前作『ハイエボリューションI』の真の意味もまた明らかとなる。 『ハイエボリューションII』で描かれるのは父をなくしたアネモネの魂の軌跡。世界を救うために、戦場へと投入されるアネモネが戦う相手は、26億人を死に至らしめた絶望の存在“7番目のエウレカ=エウレカセブン”。そして、アネモネとエウレカが出会う時、『ハイエボリューション』が描こうとした真の世界が明かされることになる。 前作に続き、監督・京田知己、脚本・佐藤大、キャラクターデザイン・吉田健一のオリジナル・スタッフが集結。 さらに新メカニックのデザイナーとして、ニルヴァーシュのオリジナルデザイナーである河森正治も参加している。 新たなストーリーの扉が開き、ここから全てがはじまる――。
▲この文章だけ見ると、TVアニメと設定が違いすぎて、TV版の再構成映画というより完全新作に見えますが果たして?
TVアニメでアネモネは終盤まで「ジ・エンド」という縁起の悪い名前の真っ黒なメカで襲ってくる敵でしたがこの映画では主役のようです。
その証拠に公式サイトのキャスト名はアネモネ、エウレカ、レントンの順番でクレジットされてます。
それと、上記のあらすじを見ると、エウレカセブンの世界と別の平行世界が舞台のようで、ハイエボリューション1弾よりずっとひどかった「ポケットの中に虹がいっぱい」を多い出す設定ですが大丈夫でしょうか……。
ネガティブなことを書きましたが「アネモネ」といえばTVアニメ48話「バレエ・メカニック」が最高に涙腺崩壊回であり何度見ても泣けます。
「アネモネ」と「ドミニク」のラブコメもさることながら邪悪メカだったはずの「ジ・エンド」の二人を見守る眼差しが優しいのがまたイイんですよ……
「バレエ・メカニック」の実績を考えるとアネモネ主役大抜擢というのは大正義であり「アネモネ」と「ドミニク」が見せる新しいシナリオはどんな涙腺殺しになるかは気になります。
主題歌「There’s No Ending/RUANN」がまた神曲
下記PVを見て下さい。映像もさることながら、相変わらず主題歌のチョイスは素晴らしいです。格好いいガールズロックですね。
映画第一弾の『GLORY DAYS』が凄く良かったのですが二弾も負けてないですね。
「There’s No Ending」は「まだだ!まだ終わらんよ!」という意味。いいじゃないですか!
映画の中で絶望の淵に立たされても諦めないというシチュエーションがありそうですね。定番ですが燃えます!
『ANEMONE/エウレカセブン ハイエボリューション』ネタバレなし感想
11/10にレイトショーで見てきました!さっそく感想や評価を追記します。
【かんたん評価】新解釈のアネモネが主役のお祭りドッカン映画
点数つけるとしたら60点くらい。アネモネが好きなら80点でもいいと思います!しかしこのアネモネはTVシリーズのアネモネとは180度異なる性格なのでちょっと賛否はあるかも。
僕は好きですよ新解釈のアネモネ。
新解釈のアネモネが主役のお祭り映画みたいな感じなので感動大作みたいな映画を期待すると肩透かしを食らうと思います。
SFの難し目の設定は、やりたいことは何となくわかりますが、視聴者置いてきぼり感があるのでそこは結構マイナスです。
何回か見る、あるいはパンフレットを読み込めばよく理解できるかもしれませんが、それはエンタメとしてはダメですね。
ハイエボ2のアネモネはアネモネじゃなくて風花です!
え?意味がわからん!と思われると思いますので順を追って説明しますね。
ハイエボ2のアネモネは石井・風花・アネモネという名前で、石井が名字で風花とアネモネはどっちも名前との事。
式波・アスカ・ラングレーみたいなノリ。ホント、エウレカスタッフはEVA好きですね。
EVAは置いといて、この映画のアネモネは一言でいうと「軽い・明るい・温かい」というキーワードが似合う健全な精神を持った美少女でした。
TVシリーズより応援したくなるキャラで、リアルにいたら友達にしたいタイプです。
アネモネはTV版だと終盤で会心するまでヒステリックで相当病んでましたよね。「暗い・重い・冷たい」性格で、自分の事だけ考えて思いつめてる人でした。
病んでるヒロインが好きな方には申し訳ないですが僕は友達にしたくないタイプでしたね笑
180度回転して、ハイエボ2ではまとってるオーラーが前向きなのでアネモネというより風花という名前が似合います。
“アネモネ”って響きがちょっと怪しい感じがすると思うんですが風花だと、まっすぐな感じがしませんか。
考えるな。感じろ!「アタシにまっかせなさーい!」ドカーン!
意味がわからないと思いますが、そんな感じの映画ですよコレ。
SF・メタフィクション周りの事を考えると、わかりにくすぎてダルいので、そこは深く考えなくていいと思います。
んであらすじとしては、アネモネがいる世界はハイエボ1と異なり僕らと同じ世界。
物理攻撃が一切通じない化け物「エウレカセブン」が大暴れし数十億人が死亡。
超絶ビーム攻撃で死にまくる人類軍の戦闘機や軍艦。という絶望的状況ですが……なぜか悲壮感が全然ないです。
アネモネは「エウレカセブン」を倒せる人類最後の希望というポジション。
敗北は決して許されない人類の存亡をかけた決死の作戦のはずが、メインキャラに抜擢されたミーシャ(TV版でゲッコー号の女医やってたおばさん)が作戦行動中に「その曲イイでしょ?とか言って笑ってる」
アネモネはスマホに夢中で上司のミーシャの重要な話を聞いてない。軽いな!
エウレカらしいSF的な小難しい設定はわかりにくいし、デューイが語る中二病の発言の数々は「コイツ何いってんだ???」状態です。
物語の再構成(ハイエボリューション)というメタフィクショナルな事象に必然性を与えたいという意図は感じるのですが、そんなことはどうでもよくて
とにかく健全で周りの事も考えるキャラなったアネモネ(風花)が物語を軽いノリで引っ張っていくのがハイエボ2ですね。
アネモネというと“泣き”系の重いストーリーと思ったんですが、全くそんなことはなく、あまり重いシナリオではなかったです。
考えるな。感じろ!アタシにまっかせなさーい!というノリで世界を救っちゃうドンパチ映画でした。
軽いノリといっても、風花はそんなにスカスカした人生じゃなくて、それなりの悲しみは背負ってますよ(笑
以下はネタバレ記事です。映画をこれから見る予定の方はご注意ください!
『ANEMONE/エウレカセブン ハイエボリューション』ネタバレ感想
あらすじ
まだ幼かったあの日。父はアネモネを残して戦いに赴き、そして帰ってこなかった。アネモネの小さな胸に深く残る後悔。彼女の心を支えたのは、ぬいぐるみのガリバーとAIコンシェルジュ・ドミニキッズ。7年が経過し、アネモネは父が散った戦場――東京にいた。アネモネは実験部隊アシッドが実行する作戦の要として、人類の敵「7番目のエウレカ=エウレカセブン」と戦わなくてはならないのだ。エウレカセブンにより追い詰められた人類は、もはやアネモネに希望を託すしかなかった。そしてアネモネは、エウレカセブンの内部へとダイブする――。
引用元:アニメハック
舞台は地球の東京でした。エウレカセブンのハイエボ1とは別世界です。
大地がサンゴ礁状のスカブコーラルに覆われていて、トラパーという謎粒子のおかげて人やロボットが空中サーフィンができる世界ではありません。
とはいえ、ハイエボ2は別世界だけど独特な切り口で1とリンクさせています。
ハイエボ2世界では「エウレカセブン」という巨大なサンゴ上の未知の脅威の出現で28億人が死亡。数十の国が滅亡という末期状態。
「エウレカセブン」には兵器による攻撃が一切無効で人類は犠牲を払って食い止めるのが精一杯でした。トラパーがないため波乗りロボのLOFは基本的に登場しません。
そのため国連の組織「アシッド」はAI爆弾という、人間の意識をエウレカセブン内に送り込んで内部から倒すことを模索。
なるほど!殴って倒せないなら精神攻撃というわけですね。どんな強いヤツでも心が折れたら脆いですからね。
主人公の石井・風化・アネモネの父、石井賢という優しいイケメンパパはAI爆弾の作戦を自ら実行するが帰らぬ人となる。
父が大好きだったアネモネは父の意思を継ぎ「エウレカセブン」撃破のため「アシッド」のスタッフとともに精神を伝送する装置がある東京湾沿岸の風の塔を目指す。
あらすじはこんな感じです。
ネタバレ感想
主人公化したアネモネの好感度上がりまくり!敵を倒すのではなく理解を示す
この映画、面倒な事は考えず主人公っぽいキャラになって好感度上がりまくったアネモネ可愛いしカッコイイ!でいいと思うんですよね。
喜怒哀楽も豊かでTV版よりみんなが好きになるキャラに変貌してましたね。
アネモネが単なるいい人になったでけではなく、大好きなパパや人類を殺しまくった敵であるエウレカを憎んで倒そうとするのではなく最後は友達になることで説得して世界を救ったのがイイですね。
完全にイケメン主人公です。アネモネとエウレカの2大ヒロインの相互理解がハッピーエンドにつながる。締め方もグッドです!
ドミニクの存在がアネモネを助けるAIコンシェルジュになり恋愛要素がほぼなかったのは、カップリングが好きな人にはガッカリかもしれませんが。
この映画、さわやかで明るいノリなんであまりウェットな恋愛要素はなくても成立するしいいんじゃない?という感想です。
アネモネ(風花)はドミニクよりパパLOVEですし。
ハイエボ1で何度も時間が戻ったり進んだりした理由
ハイエボ1で大半を締めていた時間が何度も戻ったり進んだりするわかりにくい総集編パート。何度もplayback!playforward!ってやってましたよね。
アレは編集が下手とか適当に繋げたシーンではなく、ちゃんと意味があって「実はエウレカがシルバーボックスというハイエボ1の音楽兵器を使って世界を何回もリセマラしていたのが原因だったんだよ!」との事。
※ちなみにリセマラとは「リセットマラソン」の略でスマホゲームでなるべく良い初期条件でゲームを開始するために何度もリセットを繰り返す事です。
エウレカが世界をリセマラする理由は「アクペリエンス」というエウレカの覚醒に巻きまれて消えたレントンを生きかえらせるため。
何度やってもレントンがどこかで死んでしまうようでエウレカは時を繰り返しながら病んでいました。
TVアニメの素材を使って再構成するという製作の都合に作中における必然性を与えているんですね。
僕はハイエボ1世界はリセマラワールド!と言われて「何だってーー!!!」とはならず「へぇ~」という感じです。
後付なのか最初から意図してハイエボ1の巻き戻り早送りシーンを作ったのかわかりませんが、無理やり総集編に必然性を与えてるように思えました。
ハイエボ2とハイエボ1の繋がり
よくわからないのが2と前作の繋がりだと思います。エウレカがハイエボ1のスカブに覆われた世界のリセマラを繰り返していたのはわかった。
じゃあハイエボ2世界の地球で「エウレカセブン」が暴れて人類を滅ぼそうとしてるのはリセマラとどう関係あるの?と。
パンフレットによると「レントンの再生に失敗したエウレカの夢の残骸がスカブという形でアネモネの住むハイエボ2世界に影響を及ぼした結果」との事。
よくわかりませんが、失敗した世界をゴミに捨てる→ゴミ処理場はアネモネがいる地球で、ゴミはスカブとして地球に出現するという感じでしょうか。
僕的には最愛のレントンを救うことに失敗したエウレカの嘆きが別の世界に悪影響を及ぼしたのが「エウレカセブン」と捉えておきます。
他の世界の人類を殺しまくるくらい八つ当たりしないと収まらないくらい辛かったんですね……エウレカちゃんは。
だとしたらなんて大迷惑な子だ(笑
結論:ハイエボ2の「エウレカセブン大暴れ」はリセマラ失敗をくりかえしたエウレカの壮大な八つ当たり!
TVシリーズでアネモネが病みまくって狂気に支配されてジエンドで暴れてましたがこの映画でエウレカが同じようなことをやってるんですね。
アネモネを主役に据えたことで、アネモネとエウレカの性格と立場が真逆になってるのは面白いですね。
みんなの感想
最近僕だけの感想だけ書いても偏るかなと思いましてツイッターの投稿を紹介させて頂きます。
エウレカハイエボ #ANEMONE 見ました。前作の500倍良かったけど、手放しで喜べない、とても難しい。エヴァンゲリヲンとシン・ゴジラを足して2で割った感じ。なんやかんや思いつつ悩みつつも続きが気になってしまうから術中にはまってしまっている。思いきりやりたいようにやってくれ。
— しき (@shiki_sb) 2018年11月10日
ANEMONE エウレカ ハイエボの感想をこれから観る人のこと考えて伏せて言うなら、
やっぱりTV版とは別じゃないけど別として置き換えるのがええやろう。監督が言うように"今どき"っかんじがした。戦闘シーンとかBGMはアツくて安定してかっこよい。今回の主役なだけあって前よりもアネモネがかわいい。— ぷっちょ (@putiputi_puttyo) 2018年11月10日
エウレカ観賞終わり!
面白かった(;゜∀゜)ハイエボ1ノコトアッタカラビックリシタ
アネモネ可愛いしエウレカ表情豊かだし、掛け合い自体が新鮮でした。宣伝隊長、大活躍でしたね!(ぇ
辻谷さんの代役が啓治さんだったのも、目頭熱くなりました。
ハイエボ3期待します!#エウレカ#アネモネ— ばれる (@barrels_02) 2018年11月10日
『ANEMONE』ことエウレカ ハイエボ2、ディザスター映画から始まり今回も結構トリッキーなことをやりつつ、終盤で一気に(公式HPインタビューでの京田監督が言うところの)漫画映画になって更に希望を示して終わるものだから、めちゃくちゃ清々しい気持ちになった。
— ウォーターフロント、煮沸 (@urban_ichi) 2018年11月10日
エウレカセブンをネットで見る方法!
映画でエウレカ熱が高まってきたところで僕も久々にTVシリーズが見たくなりました。特に「バレエ・メカニック」。
▼エウレカセブンを配信している動画配信サービスは以下の3種です(2018-11-09現在)
・アマゾンプライム
・ネットフリックス
・U-NEXT
僕のおすすめはアマゾンプライムですね。単純にアマゾンが月額400円と一番コスパが良いので。ネットフリックスはやや月額1200円と値段が貼るしU-NEXTは評判がよろしくないのでイマイチ紹介したくないです。
プライム・ビデオには2018年11月現在エウレカシリーズを全制覇しています!
そのためTVアニメエウレカセブン・映画ハイエボエウレカ1・エウレカセブンAO・ポケットが虹でいっぱいとシリーズすべてを見ることができます。
改悪がひどいポケットが虹でいっぱいは見なくていいですけど(笑)TVシリーズは傑作なので是非見てほしいですね。特にオススメのエピソードは下記です。
- 1話:ブルーマンデー
- 2話:ブルースカイフィッシュ
- 26話:モーニンググローリー
- 48話:バレエ・メカニック
こちらのエピソードは神回なのであなたの涙腺を破壊することは間違いないでしょう。
アマプラは登録してから一ヶ月は無料なので無料期間中に50話を見てから解約してもOKですし。
※動画配信サービスはずっと特定の作品を配信してるわけではないので、無料配信中に見てしまうことをおすすめします!
11月9日時点ではエウレカセブンは見られますが、今後予告なく見られなくなる可能性もあります。
コメント
批判が的外れでわざわざブログをやっている意味がわからん
そもそも悲壮感があの作品に必要か?
2時間で入れ込みすぎた作品を想像してみろ
>そもそも悲壮感があの作品に必要か?
↑↑↑↑↑↑
コメントありがとうございます!僕はこの映画に悲壮感が必要とは書いてないですよ。人類が滅びそうな危機敵状況なのにアネモネやミーシャの空気に悲壮感がなくて軽いノリで会話してるのがシュールで面白いね!っていう旨の意見でした。