シュタゲゼロのレビュー『TRUE EDN』感想・解説です。条件を満たすと『交差座標のスターダスト』のシナリオがスタート。鳳凰院凶真の語りが始まります。
トゥルーエンド『交差座標のスターダスト』シナリオまとめ
①2025年。『未来ガジェット研究所』及び『ワルキューレ』本部。
②“シュタインズゲート”到達方法を伝える動画を撮影中の岡部。
③この動画を電話レンジで2010年の岡部に送信。
④オペレーションアークライトの動画は2011年の鈴羽に送信。
⑤『FG-193』タイムマシン試作機は完成していた。
⑥このマシンは同一座標のタイムマシンの軌跡を追う事が出来る。
⑦2011年の七夕、マシンで旅立ったまま帰らない鈴羽とまゆり。
⑧彼女らを連れ戻すため。岡部は間もなくマシンで出立する。
⑨これは“オペレーションスクルド”の実証実験でもある。
⑩かがりから、うーぱを預かり必ず返して、と渡される。
⑪人質と不良娘を追いかけタイムマシン初号機で過去へ旅立つ岡部。
⑫真帆のモノローグ。「これは…執念のエピグラフ」
⑬『GATE OF STEINER』ボーカルバージョンが挿入。
⑭紅莉栖~“紅莉栖”の最期までをイメージするムービー。
⑮『STEINS;GATE 0』タイトルロゴ挿入。
⑯FG-193が回転しながら小さくなりフェードアウト。エンドロール。
⑰“And, go to the world which are still unseen”のメッセージ
“岡部倫太郎(β)”
「“最終ミッション”『オペレーションスクルド』の概要を説明する」33歳になった岡部は、2010年の岡部に送るメッセージを撮影していた。ここで流れるBGMはタイトル画面の曲。『Messenger』。
ゼロのメインテーマです。壮大にして戦々恐々。かっけぇ…。このインストを聴くとテンション上がります。
戦火に包まれる世界線の怖さや泥臭いカッコ良さを感じます。
執念のサムライという言葉が浮かぶ。『線形拘束のフェノグラム』の『I’M MAD SCIENTIST』という曲に雰囲気が似ていると思います。
メッセンジャー【messenger】 品物・手紙・伝言などを届けたり伝えたりする人。使者。- goo辞書より-
ずっと疑問だったんです。“Messenger”は誰なのか?
▲「閉時曲線のエピグラフ」で未来から来た鈴羽を紹介するシーンで『Messenger』の曲が、デデ~ン!と流れるので、ああ、使者=鈴羽ってことか!と最初思ったんですが、これはミスリードされました!
よく考えると鈴羽じゃしっくり来ないんですよ。鈴さんは重要なキャラクターですが主役じゃないしメインテーマが鈴羽の曲とするのは不自然ですよね。そしてTRUEまで読んでようやくわかりました。
メッセンジャーは2025年の岡部。“2010年の岡部”に、世界を騙す方法を伝えて、『シュタインズゲート』に到達する下準備をするのが彼の使命だった。ゼロの岡部は苦労人ですよホント。
ゼロでは復活した鳳凰院凶真が何度か登場しますが、いずれの場面でも“なりきれてない感じ”がします。好青年になった岡部があくまで鳳凰院を演じているという喋り方であり、とても宮野さんの芸が細かい。
前作の鳳凰院凶真は本当に直視出来ないくらい痛々しさが全身から溢れ出していたけど、βオカリンは真面目さが消せないですね。一度、脱『厨二病』をした岡部。もう純粋にバカだったあのころには戻れないのかw
旅立つ前の岡部に『無限遠点のアルタイル』の時と同じ問い投げかける真帆。「狭間の世界線、シュタインズゲートはあると思う?」「きっとあるさ!」ずーっとネガティブだった岡部はなりを潜め。すっかり前向きな好青年に。
“比屋定真帆”
真帆「宇宙に始まりはあるが、終わりはない
無限 」
▲『 STEINS;GATE 0』エンディングより引用
岡部がタイムマシンで旅立った後の、真帆のモノローグに鳥肌が立ちました。これは『 STEINS;GATE』の冒頭。岡部のセリフと同じ。厨二モノローグの懐かしさと、それをかわいらしい真帆ボイスで聞ける新鮮さが入り交じって熱い気持になりました。
そんないい声を当ててくれたのは矢作紗友里さん(愛称:パイセン)ですが、真帆センパイの中の人がパイセンって狙ってるよね?
相変わらずチヨスタ作品はキャスティングが絶妙すぎる。何より演技が良すぎるので、真帆というキャラクターに厚みというか説得力を感じました。新キャラなのにシュタゲ世界に溶け込んでいて違和感がないのも凄い。
シュタゲゼロの最大の収穫は真帆だよ。紅莉栖の代行ヒロイン?とんでもない!真帆は既存の濃すぎるメンバーに全く引けを取ってません。規格外の天才、牧瀬紅莉栖に強い劣等感を抱きつつも、その実、彼女と肩を並べる傑物。
人工知能『Amadeus』という、人間の脳を再現するという、とんでもないフューチャーガジェットの開発者。その思考や言動は科学者らしくロジカル。見た目は幼いが気丈な性格でラボのお姉さん的存在。髪がボッサボッサで、靴が左右違うという酷いファッションセンス。
廃レースゲーマーの上に何かにつけて訴訟しようとするメリケンっぷり。更にはPCパーツを見て目を輝かせる女子という、残念すぎる数々の側面を持つ。
いいキャラすぎる。
強いて言うなら、もっと初登場の年齢が高くても良かったかなと思います。
比屋定真帆(29)とか。
比屋定真帆(35)とか。
アリだな……
え?ナシですか?
なんでかというと合法ロリと言いつつ世間的には全然若いのでね。21歳で身長140センチの真帆くらい幼い外見の女子大生がいてもおかしくないレベルです。
合法ロリというパワーワードの割にそこまぶっ飛んでないよねという話でした。
話を戻すと、岡部との別れに涙する真帆たん。
「泣くなよ」
「泣いてないわよっ…グスッ」
最後まで気丈。『無限遠点のアルタイル』で自分と岡部はそっくりで「鏡面みたい」と言ってましたが、真帆って女版オカリンと言えるキャラクターなんじゃないかと思います。
真帆は紅莉栖の人となりが大好きで姉妹のように仲が良かった。また、その天才性を誰よりも認めつつも、彼女と比べると自分が矮小な凡夫にしか思えず、激しい劣等感に打ちのめされてしまう。
前作において、岡部も紅莉栖が好きで、その才能にも憧れを抱いていましたが常識外れの逸材である紅莉栖とダルに比べて、何もできない自分に強い無力感を感じる場面がありました。
デザイン的にも、ボサボサの髪の毛や残念なファッションといった、岡部と共通の要素があります。
小説版で初めて真帆の絵を見たとき岡部と紅莉栖の娘?なんて妄想をしてた事を思い出しました。
オペレーション・アルタイル
こちらでは“岡部の死の収束”はアクティブです。だが別の世界線から届いた“Dライン”が勇気を与えてくれた。“世界は欺ける”
だとするならば、例えば“タイムマシンでこの時代から岡部が消える”という偽装工作をすれば死の収束を避けられるかもしれない。この仮説の検証をするのが『オペレーションスクルド』の実証実験。
これに成功し世界を騙した実績が作れたら、“2010年の岡部”も世界線が収束するのを誤魔化して紅莉栖を助けられる、その確証が得られるかもしれない。オカリンは死なないかもしれないけど、鈴羽とまゆりを助けて彼は戻れないフラグがビンビンですが…。
『GATE OF STEINER』ボーカルVer
『GATE OF STEINER』キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! 紅莉栖と“紅莉栖”のムービーの後に、 『 STEINS;GATE 0』のタイトルロゴ。そしてエンドロール開始。
▼シュタゲゼロはエモい曲揃いなのでサントラおすすめです。サントラなのに4つのボーカル曲全部がフル尺で収録されているのもお得です。
シュタゲにおいて、岡部たちの真の敵は『SERN』でも『ストラトフォー』でも『三百人委員会』でもない。それは宇宙の時空間システム。ボーカルバージョンは“時間”という深淵なテーマの物語のラストに相応しいと思います。
14年前、真帆は世界線もタイムマシンもただの数式に過ぎず、私たちにその解が導けない道理はないと言ってましたが、相手は劇中で“神の摂理”と称される、時を司る宇宙そのもの。いくら天才が集まっても収束の抜け道を見つけるには14年の年月に及ぶ苦労があったようです。
それだけの代償を払っても紅莉栖への執念を絶やさない岡部と真帆。真帆は「倫太郎」と呼んでいたし別れ際にいい雰囲気になってましたけど、このふたりは恋愛関係というより“同士”なんでしょうか。オカリンと真帆たんはお似合いだと思いますが。
『TRUE EDN』にしては、シナリオは短くアニメで例えるとCパートのような後日談でした。それと全体を通して、回収してない伏線の数々が気になります。
これは、あえてユーザーに考える余地を残しているようにも取れます。そのため色々と妄想して記事を書くのは楽しかったですw以上『交差座標のスターダスト』のレビューでした。
シュタインズゲートゼロのアニメを最終回まで見ました。21話・22話・23話が気合の入った神回ラッシュで面白すぎて目が離せませんでした!
このラストは明らかに原作ゲーム超え。TV未放送の24話も付属しますし、普段アニメのDVD/BDを買わない方でも最終巻は買いじゃないでしょうか。
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