『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を劇場で見てきたので感想を書きました。
この記事の目次
ネタバレなし感想
一言で言うと「駆落ちファンタジー」。主人公の典道君がなずなを守るために何度もトライ&エラーを繰り返す恋の逃避行でした。
おそらく女の子は特に好きな内容だと思う。夏にカップルで見ると盛り上がるでしょうね。シングルで見ると心にダメージを受けるかもしれない(???)
「打ち上げ花火は平べったいのか丸いのか?」という好奇心をくすぐる話題など、原作より考察要素が多くあって妄想するのが面白い作品だと思うのでシングルでも楽しめますよ(笑)
以下ネタバレのためまだ映画を見ていない方は注意してください。
そもそも『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』って何?
元々は1993年に放送された実写のTVドラマ。脚本は岩井俊二監督。95年にTV版を再編集した映画も公開されています。
この原作をアニメーションにしてシナリオも大きく変えているのがこのアニメ映画。原作は少年時代のノスタルジー作品という感じでしたが、アニメ映画は恋愛要素とファンタジー要素が強くなっています。
▼こちらに原作映画の感想を書きました。
以下ネタバレ感想
登場人物について
及川なずな(おいかわ なずな)
ミステリアスな魅力を持つ少女。可愛いというより大人っぽい。自称「私はビッチの血を引いている」は衝撃でした(笑)アニメヒロインにビッチだと言わせるとは….。
なずなと典道(のりみち)は俳優起用してますし、実写を意識してるんですよねこの映画。そういった理由からか、いわゆるオタク男子が好きな清純な女の子ではなくリアルな女の子像が描かれてました。
三次元の女は多かれ少なかれみんなビッチ要素持ってんだよ(暴言)あと絵がシャフトだし化物語のガハラさん(戦場ヶ原ひたぎ)にわりと似てると思う。
島田典道(しまだ のりみち)
主人公でありなずなのヒーロー。はじめのうちはなずなが助けを求めても何もできずに呆然としているけど、失敗を繰り返すうちにどんどん逞しくなっていくのが典道君の良いところ。
安曇祐介(あずみ ゆうすけ)
ブレブレなのが祐介。「俺なずなに告るわ」と言っていたが、いざなずなの方から誘われると怖じ気ついて(?)デートをドタキャン。
「俺があんなブス好きなわけないだろー?」とか言ってましたが、典道がなずなを好きなのを見抜いてついた優しい嘘で、祐介は男の友情に厚いイケメンかよ!
と……思ったのですが、別の時間軸では典道となずなが二人でかけおちする様子を目撃してリアルにブチ切れるという二転三転ぶりを見せつけていました。
祐介はあまりいいところなかったなぁ。一貫してなずなを守ろうとした典道とは対称的ですね。
典道と祐介がやってたゲーム
▲『キラキラスターナイトDX』ですよね?
『キラキラスターナイトDX』は2016年に発売した現代の技術で作ったファミコン風ゲーム。これはファミコン世代が当時を懐かしむゲームだよ。典道たち何歳だよw
■世界1(BAD END1)
・典道はクロールで祐介に負けてなずなに誘われない。
・なずなが十字路で母親に連れ戻される。
・なずなは典道に助けを求めるが呆然として何も出来ず。
■世界2(BAD END2)
・典道はクロールで祐介に勝つ。なずなに誘われる。
・典道&なずなは電車に乗る直前になずな母に連れ戻される。一人失意の典道は灯台に向かう祐介たちと合流する。
■世界3(BAD END3)
・典道&なずなはなずな母たちから逃れて電車に乗る。
・電車で移動中に車で追跡してくるなずな母に見つかる。祐介たちにも踏切で二人でいる所を目撃される。電車から降りて灯台に逃げるが逃げ場なしで詰み。
■世界4(HAPPY END)
・電車で移動中に仕方なく()なずなを押し倒して追跡者に見つからないようにする。
・ループを繰り返した世界は電車が海を走ったりガラスに覆われた幻想空間になっていた。(ガラスのドーム世界はもしも玉の中ということでしょうか?)
・酔っぱらい花火師がもしも玉を打ち上げ花火の尺玉と勘違いして打ち上げる。
・ガラスのドームに覆われた世界が崩壊する中で典道となずなはキスを交わす。
■世界5(現実世界)
・夏休み開けの二学期。予定通りなずなは転校してクラスからいなくなっていたが典道まで登校してなかったのはどういうことでしょうね?
・典道が死んだのか、転校したなずなに会いに行ったのかはご想像におまかせします!という締め。
「打ち上げ花火は平べったいのか丸いのか?
「打ち上げ花火は平べったいのか丸いのか?」という疑問に対する答えは、丸い場合もあるし平べったい場合もある。更に異なる形の花火も存在するというものでした。
二番目の世界で本当に花火が平べったくて驚きました。横からみて平らな花火は何だか気持ち悪いw 作中で言ってるように火薬が球状に爆発するので花火は丸いが正解なんですけど、
平らな花火が当たり前の世界を映像で見せることで異なる世界に分岐したことを表現しているのは「おおっ!」と唸りました。
三番目の世界で典道&なずなが灯台で見た花火はさらに奇妙な花火でした。花の成長を高速で再生しているような、噴水のような。
それと花火じゃないけど三浦先生(声:花澤香菜)のおっぱいは平べったいのか丸いのか?というネタもあって笑った。
三浦先生は最初の世界で明らかに巨乳だったのに世界3では彼氏に「お前こんなに平べったい胸してたっけ?」なんて言われてたけどこれも典道がループして世界を変えた結果の様子。典道のせいで三浦先生が貧乳にされたw
音楽について、やはり「Forever Friends」は屈指の癒やしソング
実写の原作でも使われていた名曲「Forever Friends」がイイ感じでした。これはいつ聞いても癒されます。
▼エンディングの打上花火は人気出そうな曲でした。「Forever Friends」のほうが気に入ってるけど打上花火は聞くたびに好きになるタイプの曲かな。
DAOKOが歌う「打ち上げ花火」
打上花火
DAOKO×米津玄師
2017/08/16 ¥250
瑠璃色の地球
及川なずな(CV.広瀬すず)
2017/08/09 ¥250
▲なずなが歌っていた「瑠璃色の地球」と言う松田聖子のカバー曲もありましたがこっちは正直、なずなが急に歌いだしたのでちょっと笑いそうになった。
ボーカル曲が3曲もあるとちょっと散漫かな?曲自体は全部いいものですが。
まとめ
原作映画はノスタルジックで落ち着いた雰囲気の映画でしたが、アニメは原作をド派手な映像で彩った恋愛ファンタジーでした。さらに何回もループするので考察も楽しい。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』夏におすすめの映画です。僕も考察のためにまた見返したいですね。
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