こんにちはこんばんは!モリミヤです。この記事では2018年11月30日公開の映画「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」を劇場で観た感想・解説させていただきます。
新作のガンダムNTが気になるけどガンダムシリーズって長いし種類も多いし予習しないとダメ?と心配な方もこの記事を御覧ください。
この記事の目次
ガンダムNTは面白いの?
小説を読んだ限りではなかなか面白いです!ざっと箇条書きしますと、
- 好きな女の子を追いかける主人公ヨナに共感しやすい
- 一筋縄ではいかない幼馴染のミシェルのキャラが奥深い
- メインキャラのヨナ・ミシェル・リタの関係性や過去のエピソードが見応えがある。
- 悪役のゾルタンがインパクトがあって濃ゆい。
- 黄金のフェネクスを始めとしたモビルスーツの作画が凝っていて凄まじく格好いい。
- 公式サイトで公開されていない機体も登場!
小説版のレビューはこちらに書いてます。

ガンダムシリーズを知らなくても大丈夫?
ガンダムNTは歴史の長いガンダムシリーズ(宇宙世紀)の物語で、ガンダムUCの後日談です。
ですがNTを見る場合、過去のシリーズを知らなくても大丈夫です。理由は以下の2つ。
- メインキャラはガンダムUCから一新されている。
- ガンダムNT単体で見ても問題ない短編作品
もちろんシリーズと前作に当たるガンダムUCを知っているに越したことはないのですが……
そこで、ガンダムシリーズってどれだけあるんだっけ?と思って下のほうでシリーズ(宇宙世紀)を表にしてみました。
ガンダムWやガンダム00、鉄血のオルフェンズなどはガンダムNTが属する宇宙世紀とは別の世界なので今回は割愛いたします。
赤いところが「ガンダムNT」です。ちなみに水色のところは今後の新作です。ガンダム40周年でガンガン宇宙世紀を映像化していくそうです!
ガンダムシリーズ(宇宙世紀)時系列順
タイトル(略称) | 作中の年表(宇宙世紀) | 映像媒体 |
ガンダムTHE ORIGIN | 0068 | OVA・TVアニメ(2019-4) |
機動戦士ガンダム | 0079 | TVアニメ・映画 |
08MS小隊 | 0079 | OVA |
ポケットの中の戦争 | 0079 | OVA |
ガンダム0083 | 0083 | OVA |
Zガンダム | 0087 | TVアニメ・映画 |
ガンダムZZ | 0088 | TVアニメ |
逆襲のシャア | 0093 | 映画 |
ガンダムUC | 0096 | OVA・TVアニメ |
ガンダムNT | 0097 | 映画(2018-11-30) |
閃光のハサウェイ | 0105 | 映画(2019予定) |
ガンダムF91 | 0123 | 映画 |
Vガンダム | 0153 | TVアニメ |
それにしても、シリーズが多すぎて「うげっ?」ってなりませんか。多くて大変だし予習とかいらないですよ!
興味持ったら見たらいいと思います。最初のガンダムは絵は古いですが話がめっちゃ面白いので見たことないならオススメです。TV版は長いので映画3部作で!
小説版を読む限りではガンダムNTは過去のガンダムを見てなくてもOKな作りです。予備知識なしで映画のガンダムNTを見に行きましょう!
ガンダムNTのためにあえて予習するとしたら……最低知識6つを解説!
それでも予備知識がないと不安……という方のために、すごくざっくりとしたガンダム最低知識を書いてみました。ガンダムって何?おいしいの?という方は参考にしてください。
ガンダムNTを見る上であるといい知識としては以下の6つです!
- 宇宙世紀(UC)
- コロニー落とし
- モビルスーツ(MS)
- ユニコーンガンダム
- ニュータイプ(NT)
- 強化人間
順を追って説明いたしますね!
宇宙世紀(UC)
機動戦士ガンダムの時代設定は宇宙世紀と呼ばれ、西暦よりも未来を舞台にしています。
宇宙世紀(UC:ユニバーサルセンチュリー)とは地球の人口が増えすぎたので、地球近くの宇宙空間にコロニーという円筒形の居住施設を作って人類が宇宙で暮らすようになった時代の事です。
戦争の始まりは「コロニー落とし」から
アニメの初代ガンダムで、力をつけた宇宙移民の一族ジオンは宇宙世紀79年に地球に宣戦布告。いきなり地球に対してコロニーを落としたことで地球連邦とジオンの一年戦争が始まりました。
このコロニーはオーストラリアにシドニーに墜落しこの大事件で被災したのガンダムNTの主人公ヨナたちです。
一年戦争は文字通り一年間で終結しましたが、宇宙世紀はそのあと何十年にも渡ってずっとドンパチをしてる嫌な世界です(笑
モビルスーツ(MS)
一年戦争で目覚ましい戦果を上げたのが18m級の人型兵器モビルスーツです。そしてモビルスーツの中でも特別な性能を持つのがガンダムタイプです。
モビルスーツっていうのはパイロットが乗ってます。無人じゃないです。たまにいらっしゃるんですが、「ガンダムって人乗ってたの?勝手に動くんじゃなくて?」という方が笑
人型ロボットは自律型のイメージがあるのはわかりますが、モビルスーツは人が乗り込む巨大戦闘スーツみたいなものなので。
ユニコーンガンダムとニュータイプ(NT)
宇宙世紀96年にバナージという少年らが操縦する2機のユニコーンガンダムが超常的な力を発揮して連邦とネオ・ジオン残党との争いを終結に導きました。
ユニコーンガンダムはお台場にもある下記のロボットです。
画像引用元:https://www.unicorn-gundam-statue.jp/
ユニコーンガンダムは人間の脳波に反応するサイコフレーム(ボディの赤く光ってる部分)という金属を組み込んでいます。要するにパイロットの念力で動くスゲーガンダムです。
ユニコーンを駆るバナージはニュータイプ。ニュータイプとは宇宙に移住した人々の中で宇宙空間に適応した結果その能力を拡張させた人間の事です。
ニュータイプはモビルスーツの戦闘センスが異常に高く、ガンダムシリーズの主人公はニュータイプが多いです。
強化人間
ニュータイプの能力は物凄いのですが、それは突然変異で発生するものです。人間が宇宙に出て100年足らず。人類すべての遺伝子がニュータイプ能力者のように変化するにはもっともっとケタ違いに長い歳月が必要です。
「100年で進化しようなんて夢見てんじゃねーよ」とガンダムNTに登場するライバルのゾルタンもツッコミを入れています。
自然発生が稀なら作るしか無いということで、ニュータイプを戦争の道具に使いたい輩がニュータイプを人工的に作り出そうとした産物が強化人間です。
宇宙世紀87年のゼータガンダムにおいて、主人公サイドの敵対組織のティターンズはニュータイプを作るために素養のありそうな子供を集めてオーガスタ研究所で人体実験を繰り返していました。
オーガスタ研に軟禁されていたのがガンダムNTの主人公ヨナたちです。
そしてガンダムNT(ナラティブ)へ
ユニコーンガンダムには暴走事故を起こし失踪した幻の3号機“フェネクス”が存在していました
映画「ガンダムNT」の始まりは宇宙世紀97年から。
ガンダムNT(ナラティブ)は閉鎖したオーガスタ研究所を抜け連邦の軍に入った主人公のヨナと、その幼馴染のミシェルが消えた“フェネクス”を追い求めるお話です。
NTというのは公式いわく(ナラティブ=神話)を意味するとの事。みなさんお気づきだと思いますがNT(ニュータイプ)もかけてありますね。
ネタバレなし評価と感想の箇条書き
ナラティブは涙腺を刺激する良作
面白かったです!
映画としては7580点ぐらいのクオリティじゃないでしょうか?
各要素を5段階評価すると以下。
- キャラ:4
- ストーリー:4.5
- モビルスーツ戦:5
- 音楽:3.5
90分という時間のなかでバトル・泣き・ストーリーのわかりやすさなど、各種要素が高いレベルで上手くまとまった良作ガンダムというべき作品でした。
けっこう涙腺に来るシーンがあって中盤の主人公ヨナの怒りと悲しみが伝わってきて若干泣きそうになりました。
それとあのシーンでヨナ怒りがおさまらなかったらヤバかった。
悪役ゾルタンも終盤のセリフも涙を誘います。
ヨナやゾルタンの脳波(サイコウェーブ)がスクリーンから劇場内の僕らに働きかけてました笑
ナラティブはニュータイプの力を欲しがる人々のエゴに」人生を翻弄されてもがき苦しむ人たちの物語。という感じ。つらいです。
モビルスーツ戦も多くて良い
主なモビルスーツ戦は全部で5回。4回。訓練や事故のシーンも入れるともっとあって90分の中でバトル描写はだいぶ多かったです。
シナリオに興味なくてもモビルスーツが見たいなら絶対行くべきです。
いいところで流れるアップテンポの男性ボーカルの挿入歌「Vigilante(ヴィジランティ)」かなりいい感じで冒頭からテンション上がりました!
▼「Vigilante」は下記のPVで聞けます。この曲はサントラに収録されます。
若干わかりにくいシーンも
ここまで絶賛してきましたが100点の作品というものはないと思ってます。ナラティブも不満点はあってどうしても時間が足りないので「映画観ただけじゃわからない点」が点が気になりました。
小説読まないとわからないのは、終盤戦のミシェルの行動の意味や、イアゴ隊長の経歴あたりでしょうか。尺の短い映画の宿命ですね。
映像を見て詳細が気になったらガンダムNT小説で補完すると良いです。
その他細かいこと
あとゾルタンの監視役のエリク中尉が可愛かった笑 好みのキャラなのに小説より出番少な目で残念。
以下ネタバレ記事となりますのでまだ映画を見てない方はご注意ください!
ネタバレ評価と感想
主なモビルスーツの解説と感想
MSK-008 ディジェ(ナラティブバージョン)
ナギナタコンボがステキな旧型機
ゲルググみたいな面構えですが主人公ヨナが最初に乗る機体です。ディジェは『Ζガンダム』においてアムロ・レイが乗っていたカラバの陸戦用MS。
ナラティブ版ではエメラルドグリーンの奇抜なカラーリングから落ち着いたグレーに変更。ビームライフルが新型に変更。左肩に投光器も装着されています。
なぜZガンダム時代のMSにヨナが乗っていたのかと言えば、ガンプラの販促のためですね笑
RX-9 ナラティブガンダム
NTに手を伸ばすガンダム
頭部がνガンダムそっくり。腕や脚がフレームむき出しになっているのが特徴のガンダム。
劇中で「やせっぽっち」と呼ばれる不遇ぶり。ガンダムタイプのRXナンバーを冠する機体であるものの、RX-9という形式番号は微妙なナンバリング。
初代ガンダムがRX-78なのに9って何ですか?ケタが足りないから弱そう……
ナラティブはサイコフレーム試作機としてνガンダムより前に作られたMSで武装はバルカンだけです。単独では戦闘能力に乏しいナラティブにオプションを付けたA・B・C装備が存在します。
ぷちデンドロビウムとも言うべき高機動ユニットを追加したのがA装備。
A装備はフェネクスを鹵獲するためのもので、ヨナの目的はフェネクス(リタ)を取り戻ることですし作画も凄くてA装備が一番カッコよかったです。
B装備は背部にハリセンみたいな形のインコムを背負っています。ゾルタンに「ファンネルもどきを使うとはそれでもガンダムか!」と突っ込まれてたのは笑いました。
ゾルタンガンダムマニアなの?
ちなみにその後、ナラティブのNT-Dが発動してインコムがちゃんとしたワイヤレスのファンネルになったのは面白いシーンでした!
C装備は疑似ユニコーンガンダムです。急ごしらえ感バリバリであまり洗練されてないデザインだと思います。C装備ははほぼ活躍せず破壊されて残念。そのあとヨナがフェネクスに乗り換えたので前座感がありました。
NSN-062-S シナンジュ・スタイン
シックな試作機に宿るのは赤い眼光が放つ憎悪
アンテナのないハゲの頭部にガンダムらしきツインアイが特徴のシックなMS。
シナンジュ・スタインはサイコフレームを実装した試作型MSです。サイコフレームの強度・追従性のテストする機体であるため、スタイン(原石)の名を冠しています。
連邦軍の巡洋艦ウンカイが2機のシナンジュ・スタインを輸送中にネオ・ジオン残党の袖付きによって奪われたとされています。
2機のスタインのうち1機はエースのフル・フロンタルのためにカスタマイズされて赤い高機動MSシナンジュに。もう1機はそのまま失敗作と揶揄される強化人間ゾルタンに与えられました。
NZ-999 Ⅱネオジオング
本家より動きまくる!ジオン究極のモビルアーマー
Ⅱ(セカンド)ネオジオングはガンダムUCのネオジオングの予備パーツを使って組み上げた116メートル級の超巨大モビルアーマーです。
あんなデカブツの予備パーツあったんかい!袖付きって貧乏じゃなかったっけ?どこにこんな巨大メカを2機作る予算が……。とツッコミたくなります笑
ガンダムUCでネオジオングがアニメでほとんど動かなかったのに比べⅡ(セカンド)ネオジオングはかなり動きまくってたので良かったです!
コロニー内での戦闘においてセカンドネオジオングを呼び寄せたスタインがナラティブガンダムにジャックされて本機を奪われそうになったシーンは驚愕でしたし、ゾルタンに哀愁を感じました。
ナラティブガンダムによってサイコジャックされたのでⅡネオングはネット上でナラティブガンダムD装備と呼ばれていたりします笑
RX-0 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス
オカルト金ピカ美少女マシーン。
- ナラティブを見る前の僕→ユニコーンの色変えでしょ。はいはい手抜き手抜き。
- ナラティブを見た後の僕→フェネクスちゃんマジ可愛い。超チートすごすぎ!
フェネクスはニュータイプ・リタを投影した神秘的なメカとして描かれてました。動きが女性的で美しい。
コロニー内に降臨したシーンは天使や神が地上に降りてきたような演出で印象的でした。
性能面は技術的特異点であるユニコーンガンダムなので、謎の波動を放ち敵メカを分解したりするトンデモ性能。さらにニュータイプであるリタの思念がサイコフレームに定着しているので人間レス。
人間の肉体という弱点がないので光速に近い速度を出したりありえないアクロバティック飛行が可能です。映画のラストでは同じく星になったミシェルの意識も取り込んでいるような描写があり更に反則的な存在になりそうです。
スパロボで精神コマンド二人分使えるみたいな?
フェネクスちゃんは面白いけど、幽霊が動かすMSは賛否両論ありそうですねぇ。
良かったモビルスーツ戦
主なモビルスーツ戦闘は4つあって
- ミシェル指揮によるマーサの奪取作戦
- シェザール隊+ナラティブガンダムの不死鳥狩り
- コロニー内での連邦・ジオン共和国の戦闘とフェネクスの介入
- ゾルタンのガス臨界爆発テロを阻止せんとする連邦+フェネクス
モビルスーツ戦は全部良かったのですが特に1、2は見応えがありましたね!
マーサ奪取作戦(ディジェVSアンクシャ)
ユニコーンガンダムが持つ時間を戻す能力や人間の意識をサイコフレームに定着して永久保存する技術を欲したミシェルは
ユニコーン3号機フェネクスの居所を知っているマーサおばさんから情報を聞きだすことを考えた。
マーサは前作ガンダムUCでラプラス事変の責任を問われ身柄を拘束中でした。モビルスーツに護衛され車で移動するマーサを奪い取るべく襲撃を掛けるルオ商会のミシェル率いるディジェ数機。
モビルスーツで襲撃して人を拉致って、やってることが完全に悪役なわけですが。躊躇なく護衛の人間をMSで踏み潰すだとか主人公側のやることじゃねえ!
その行為の是非は置いといて、主人公ヨナが乗るディジェとアンクシャの戦闘が良かったです。
ディジェ(ヨナ機)は最初はアンクシャに右腕を斬られる→体当りを食らうのコンボで押されてましたが
頭部バルカンで反撃(バルカンはMSの顔がアップになって素敵)→ビームナギナタによる斬り払い→斬り上げの格闘動作がめちゃめちゃ格好良かったです。
不死鳥刈り(ナラティブガンダムA装備VSフェネクス)
スピード感があって気持ちの良い戦闘でした。あんまり強くないナラティブガンダムが一番輝いていたシーンでした笑
挿入歌「Vigilante」のアップテンポの歌声に乗って高速起動するゴテゴテのナラティブA装備イイですね!
結局フェネクスは取り逃がしちゃうわけですが、正直相手が悪い。フェネクスはおかしい。なんなのあの反則金ピカ。
生身の人間が乗っておらずリタの意識によって制御しているため超反応・超高速による動作が可能です。生身の人間をレスしていることで機体の性能を200%発揮している感じです。
更にサイコフレームというブラックテクノロジーの代物を積んでいるため、人間の意識を利用して時間逆行や物体操作も行える超オカルトマシーン。
- 直角にカクカク曲がりながら飛行(ドラゴンボールみたいな飛び方)
- 移動速度は最大で光速以上(光速度不変の原理を無視)
- 謎の波動を放ち、それを浴びたモビルスーツは組み立て前に分解される。
- サイコフレームで周囲の人の意思を利用してよくわからない現象を起こせる。(オカルト)
ナラティブガンダムがフェネクスを捕獲しかけたのに、緑色に光る謎波動でA装備を分解されるわ、ヨナはハイメガ砲を打てないわで、結局失敗に。
ヨナにとってはフェネクス=愛しのリタですからそりゃあ撃てませんよね。
悲しみのガンダム
こんなに泣けるガンダムというのも珍しい気がします。たった90分の新作短編という枠でよく感動まで持っていってくれたなぁというのが所感です。
ガンダムNTのNTの意味ってナラティブの他にもニュータイプもかけてあるよねって上で書きましたが、
僕はNegative(ネガティブ)もかかってるんじゃないかと解釈しました。
ネガティブっていうのは、ガンダムNTが駄作とかつまらないという意味ではないです。むしろ良作である本作。
何がNegativeか?
■ニュータイプ神話のダークサイド
ナラティブって、歴代ガンダムの華々しいニュータイプの活躍の裏側のダークサイドストーリーをメインで描いたガンダムという感じです。
■“失敗作”ゾルタンがコンプレックスの塊
ゾルタンは頭のおかしい強化人間という感じで登場してテロ行為を平気でやるヤバイ軍人として描かれますが、
勝手に強化人間に改造されて、挙げ句失敗作呼ばわりされる。
めっちゃ同情する。
ゾルタン「オールドタイプが理解するのは現象だけだ。奇跡を目にしても、その本質を学ぼうともしない。人は変わらない。これからも、俺やお前らみたいな人間が奇跡のために切り刻まれる。だったら、だったら、さっぱりさせようぜぇ!」
▲小説より引用。
最終決戦でセカンドネオジオングを駆るゾルタンはヘリウムガスの臨界爆発を起こして地球をも巻き込んだテロに走ります。
ゾルタンはイカレキャラを演じていますが、ニュータイプを作り出すというエゴために犠牲になった被験者で、失敗作の烙印を押された可哀想な人です。
ぬるぬる動く顔芸やテロ思想で一見やべーやつにしか見えませんが、結構言ってることは正論でまともだったりします。
テロ行為はやめとけよゾルタンって感じですが、こうも生い立ちが酷いと誰かに八つ当たりしないとおさまらない位に心が荒みまくるのもわかります。
キチったキャラクターもゾルタンが精一杯今の残酷な境遇をエンジョイしようとして作り出したものに思えます。
■ティターンズでモルモットにされて人生が狂った3人。
ヨナとリタとミシェル3人はNT能力があると祭り上げられて、幼い頃からティターズのオーガスタ研究所で軟禁されモルモットにされる。
もうこの時点できつい。めっちゃネガティブな過去を背負った3人。
ミシェル→予知能力者を欲したルオ商会に引き取られるように自ら仕向ける。ミシェルは自分が助かるためにやったことではなく自分がルオ商会でのし上がって終戦後に二人を助けるつもりだった、
が……ヨナに嘘つきの裏切り者扱いされ、助けたかったリタは死亡。
死んだリタの魂をサイコフレームで永久保存してヨナとリタに詫びるつもりだったが最終決戦で自らも死亡。
リタ→真のニュータイプのため開頭され体を弄くられた後に、ニュータイプ専用MSで戦場へ。フェネクスのパイロットになった後に暴走事故を起こし。経緯は不明だが死亡。
意識だけフェネクスのサイコフレームに定着し人機一体の存在になってします。
「私、生まれ変わったら鳥になりたい」
本当に鳥になっちゃった!ロボだけど。
ヨナ→オーガスタ研究所、連邦の士官になり不死鳥刈りの作戦に参加。苦労の末フェネクスのコックピットにたどり着くが中の人なんていなかった。
リタ死んでるし、ミシェルも最終決戦で死亡。
ヨナ……
ついでにヨナはパイロットとしての腕が中の上くらい。
乗ってるガンダムがνガンダムの試作機でフレームむき出しのやせっぽっちという不遇っぷり。でもAで装備はかっこいいですよ!
それにしてもこうも平凡感のあるガンダム主人公は珍しいです。
ヨナはニュータイプでも強化人間でもないはずですが、強力なニュータイプであるリタの力を幼い頃に投影されているので疑似ニュータイプなのかもしれませんね。
ヨナ「悲しい事、つらいことばかりで何のために生きてきたかわからない!生まれてこなければよかったんだ!」
っていう旨のセリフがあるのですが、
やめろ (´;ω;`)
こういう悲しい独白はやめていただきたい。
これはキツイ。現実社会でもつらいことが多いですしこれは刺さりました。なんてネガティブで等身大の主人公だよお前。
結論としてはティターンズ最低だな!
続編を作れそうな締め方でした
最終決戦で宇宙に放り出されたヨナを救ったのはガンダムUCの主人公バナージでした。
死んだミシェルはリタとともにフェネクスと一体化したのでしょうか。ちなみにゾルタンは一体化しなくてもいいぞ笑
- フェネクスは宇宙の彼方に消えていった。
- ヨナとバナージの出会い
- ユニコーン1号機は本当は解体されてなかった描写
これらの要素から、もしガンダムUC2があるなら、続編を作ることもできる仕込みに思えました。宇宙世紀99年とか宇宙世紀100年っていうのはキリのいい数字ですし多分その辺でまた戦争が起きるんでしょう。
あるいは、ガンダムNTエンディングの後に予告が流れた映画「宇宙世紀105年の閃光のハサウェイ」にヨナやバナージが絡む可能性も全然ありえます。
入場者特典とかパンフレット
アニメカットのイラストを2枚もらいました。右はミシェルで左はセカンド……じゃないほうのネオジオングさん!
タイトルがガンダムUCになってました。
パンフレットは通常版と特別版がありまして僕は下記の通常版を購入しました。
通常版パンフは25ページで結構さらっとした内容。簡易設定資料集とインタビューという構成です。
肝心だと思った映画のストーリーについて書いてなかったです。内容はわかりませんが映画が気に入ったら特別版買ったほうがいいかもです。
ガンダムNTまとめ
- ゾルタンが他人とは思えないコンプレックス持ち。しかもただのキチキャラではなく正論も言えるまともさを合わせ持つNTで一番味のあるキャラ
- ガンダムNTはニュータイプ神話のネガティブな側面を描いたシナリオのため悲しみに満ちていて涙腺が決壊する。
- 90分で感動まで持っていける構成は上手い
- モビルスーツ戦は圧倒的に熱い。ディジェとナラティブガンダムA装備はいいよ!
以上でした。僕は大満足でした。ガンダムNT面白いよ!
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