アニメ・カオスチャイルド最終回後のエピソード『
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『CHAOS;CHILD SILENT SKY』とは?
© 2017 MAGES./KADOKAWA/CHAOS;CHILD製作委員会
原作ゲーム『カオスチャイルド』の【TRUE 世莉架編】をアニメ化したもの。物語はヒロイン・世莉架の視点で描かれています。
2017年6月に2週間限定で東京/シネマサンシャイン池袋、名古屋/伏見ミリオン座、大阪/梅田ブルクの3館でイベント上映されました。
「渋谷ヒカリヲ」が決戦の舞台になり、TRUEのラストでも世莉架が立ち寄ったので、モデルの渋谷ヒカリエのシアターオーブで上映すれば良かったのに、
なんて思いましたがシアターオーブってミュージカルや演劇を上演する舞台で映画館じゃなかったんですね。調べるまで気が付きませんでした。
▲画像はAmazonリンクです
以下ネタバレのためご注意下さい。
あらすじ(本編の超ネタバレ)
ニュージェネの狂気再来の黒幕であった尾上世莉架は拓留のギガロマニアックスの能力によって記憶を改変され、横浜で普通の高校生として一人暮らしをしていた。
友人と渋谷を訪れたことから世莉架の頭の片隅に封印されている記憶の片鱗が彼女を駆り立てる。
ネタバレ感想
良かった点
■世莉架と拓留以外はバッサリカット!
原作ゲームの【TRUE 世莉架編】は世莉架と拓留のエピソード以外にも他のが要素てんこ盛りです。デレる久野里のヒロインっぷり、じわじわーっと明かされる「カオスチャイルド症候群」の真相の衝撃。
そして300人委員会のエージェント和久井のゲスい野望(ワンワールドオーダー)など。
「カオスチャイルド症候群」のネタばらしである、「メインキャラはみんな老人の外見だったんだようわあああああ!!!」
という事実に驚きはしましたが拓留と世莉架の2人の結末を描く上ではあまり重要じゃない要素だと思うし
和久井の計画や久野里デレも、TRUEではサブの話題にすぎないんですよね。つまり原作ゲームは色々なネタが突っ込んであってゴチャゴチャした印象さえあったので
一番の主題である世莉架と拓留の結末を描くために時間を割いていたのはグッジョブ!ということです。
■ラストシーンの拓留の語り
「陽光が目に染みた。空を見上げていた。不意ににじんできた涙を落とさないためだった。これは嬉し涙だ。僕はそう信じた。そうじゃなきゃいけなかった。」
「二度と会うことはなく、決して重ならない道を歩いて行く。」
やっぱりこのモノローグは素晴らしい。また原作ゲームやり直したくなります。
■世莉架はこの世界のどこにもいなかった
サイレントスカイでは上坂すみれさんが意図的に世莉架の演技をTVアニメ本編と変えており、だいぶ別人になってました。声としゃべりでこうも印象が変わものですね。
人を個人たらしめるのは、その人だけが持つ人生の記憶です。記憶を改変された世莉架は肉体こそ世莉架だけど拓留の幼馴染で裏で事件を引き起こしていた“彼女”は死んだ。
拓留の台詞の「彼女(世莉架)はこの世界のどこにもいない」という現実を演技でリアルブートした上坂さん凄いです。
■邪悪な魅力を放つ和久井のディソード
「どうして君は現実に戻ることを選んでしまったんだい(キレ」
和久井がディソード構えているカットの見映えが良く格好良かった。ここは原作超え。
研究室のマルチモニターを背景に脊髄をモチーフにした禍々しい形状と毒々しい色彩の刃が「ヴィィィィィィィィィィィィ」と無機質な電子音を出しながら剣の中心にエネルギーをチャージしていました。
ところで和久井は拓留をギガロマニアックスに戻すために世莉架にディソード向けて「予想以上に硬いな。」なんて言ってたけど、
これは世莉架の記憶改変をキャンセルして、黒幕・尾上世莉架(いわゆる黒おっけい)を復活しようとしたんですかね?
残念だった点
■作画崩れ。キャラの顔が…
後半からキャラクターの顔の作画がやや崩れたのが残念。終盤のハイライトは声優さんの迫真の演技とあいまって感動のシーンなのに絵が崩れ気味でズコー!という気分に。
病室のシーンで拓留が「世莉架に会ったらあいつの罪は許してやって友達になってあげてほしい」と乃々たちに話している場面がありますが
ここも原作だと「拓留お前いいやつ過ぎるだろ…」と涙が滲んできましたがアニメは、キャラ全員の顔面がだるんだるんでダメだった。
また拓留と和久井が対峙するシーンで、
「男が好きな子にすがりついて生きていくなんて、できるわけないだろ!」
という熱の入った台詞がありますが、このシーン、表情が平坦じゃないですかね。もっと情念の籠もった顔つきをしてたほうが良かったと思う。あとカットの構図も単調すぎない?
© 2017 MAGES./KADOKAWA/CHAOS;CHILD製作委員会
■和久井がチョロい?
世莉架と拓留に尺が割かれていたためか、キレていた和久井先生が拓留の口車に乗ってアッサリ撤退。一応ラスボスなのに物分りよすぎだろ。もっと粘れよ!という風に見えました。
■世莉架の胸がTV版よりしぼんでいたような
おい宮代ォ!胸の大きさまで改変するのやめろ(違う)世莉架って巨乳の部類だと思うんですけど何故か普乳くらいのサイズになってました。
アニメ・カオスチャイルドを振り返って
やっぱり無理があった1クール構成
アニメ板カオスチャイルドは、同じ5pb.原作のシュタインズ・ゲートのテキスト量を超えているのにもかかわらず、シュタゲと同じ2クールではなく1クールに無理やり詰め込んだため、
原作にあった良さが大幅に削られてしまい重要なイベントだけを淡々と消化する味気のないアニメーションでした。
更に、もともと時間がないのに1話目を前作カオスヘッドのプロモーション映像にしたのはやや疑問が残る構成です。カオスヘッドの続編なので多少説明は必要ですが1話まるまる使うほどだったかな?
そして何と言っても、最大のピークである尾上世莉架の真犯人・発覚シーンが残念でした。原作にあった乃々の激しい怒りと悲しみ、拓留(視聴者)の「嘘だと言ってくれよ!!!」という絶望感が感じられず、あっさりと流されていましたので。
一方で同5pb.の『オカルティクナイン』もシナリオ量が多いのに1クールでしたが、こっちは台詞を早回しするという荒業で時間の不足をカバーしつつ面白さも損なっていないという工夫をしてました。
スピード早すぎて面食らいましたけど途中からそういう演出なんだなと思うようにしました(笑)早回しをしてる台詞は聞き流していい部分に絞ってあったと思いますし。
ただオカルティクナインはおどろおどろしいホラーなのにノリの良さを併せ持った独自のテイストだから早回しが成立した感があるので、ジワジワねっとり拓留を追い詰めていくカオチャで台詞早回しをやったとしても作風に合わなかったでしょうね。
アニメ・カオスチャイルドの楽しみ方
アニメ・カオスチャイルドの活用方法は途中までゲームのプロモーションビデオとして視聴してゲームをやるのが一番いいですね~正直。
ゲームプレイ済みの人にとっては原作を振り返るためのダイジェストムービーとして見るものだと思います。ゲーム経験済みだとはしょってあるアニメも補完して見られるんです。
でもOPとEDは相変わらずクールでとても良かったですよ!毎回毎回千代丸作曲は当りばっかりでびっくりしますね。あまり目立ってない気がしますが中二病溢れ出るアップテンポのナンバー「カオスシンドローム」が気に入ってます。
カオスシンドローム
鈴木このみ
サイレントスカイは良いアニメ化だった
尺の足りなさが致命傷だったカオチャでしたが、上でも書いたよう今回のSilentskyに限っては拓留と世莉架をメインに据えたことでかえって原作よりわかりやすくなっていました。
終わりよければ全て良し!とまでは言えませんが、大事なTUREを綺麗にまとめてくれたのはアニメ版の良かった点だと思います。
▼参考:プロモーション動画。
コメント
アニメ版は尺の短さが残念でしたが、別途で見どころもあったのはとりあえずそれ自体は良かったという印象です。
特に(賛否両論はありましたが)南沢泉理があの場面で真実を語ったのは個人的には好きな場面です。
ブリドカットセーラ恵美さんも言っていましたが、来栖乃々の姿のままだったゲームが防戦一方の戦い方だったのに対して、南沢泉理の姿で戦ったアニメでは攻めの姿勢が強い描写だったので。
まあ、自分が南沢泉理が好きだからっていうのはあるとは思いますがw
乃々ルートだといろんな要素で辛い面がありますし、トゥルーエンドルートだと拓留が悟ってるので、今現在の拓留に話す展開っていうのが見れたこと自体はうれしかったです。
1クールだった理由は公式でいろいろと明かされてはいますが、やっぱりトゥルールートで行くのはちょっと無茶だったかなぁ。共通ルートだったら1クールで行けたとは思いますが(必要な伏線が減るので)、華ルートが没喰らってるみたいなので共通ルートも無理だったかもしれませんが……w
>来栖乃々の姿のままだったゲームが防戦一方の戦い方だったのに対して、南沢泉理の姿で戦ったアニメでは攻めの姿勢が強い描写だったので。
円盤5巻のパッケが端的にそんな感じの絵ですね。あのパッケは格好いい。泉理関係は原作と違うんで印象的だったと記憶してます。
サイレントスカイ自体は良かったけど、TVのほうが今ひとつな感じなのでいっそトゥルーはゲームに投げて、カオスヘッド0話はカット。
アニメは全部overskyENDで切っても良かったんじゃないかなあと思います。トゥルーで救済してるけどカオチャって泥沼バッドエンド感を楽しむ
作品だと思うんで。
ttp://dengekionline.com/elem/000/001/494/1494114/
これで言われていますが、ビジネス的に2クールが不可能ってなった割には頑張っていたとは思いました。
志倉氏も言ってますが、シュタゲと違ってラストが長い構成のカオチャですし……とはいえやはり尺の面での不満は多いですが
パパンとの戦いはモノローグありきの戦闘の意味合いとアニメならではの瞬間を描いた戦闘シーンのテンポの良さ、両立ができない事象だったのがすごくジレンマです。(もちろんイマフレせりにもっと説明させるのもありでしょうけど、モノローグじゃないと完全に説明台詞だしなぁ……)
今回のSILENT SKYはトゥルーをうまく纏めていたので好印象ですね。
僕も含め原作ファンは、カオチャアニメ頑張ってたという感想になりますが、新規で見た人に不評を買ってたのが悲しいところでした。
ヒカリヲのバトル、アニメ勢には一部何が起こってるかわからなかったでしょうね(笑)あれは原作見ないとわからない。