『カオスチャイルド』うき編【無意識で我儘な優しさの侵食】の感想です。うきちゃん大天使すなぁ。ウキスキーな大きなお友だち（笑）は是非じっくり堪能して欲しいシナリオです。
この記事の目次
ネタバレ無し感想
・うき編は共通ルート8章のアレを何度も繰り返し見せられてキツイです！＞＜
・いきなり妄想トリガーの選択から始まりますがネガティブを選ぶと速攻でバッドエンドになってしまうのは笑いました。はやっ！！！
・科学ADVだけどあまりSFしてないカオチャの中ではわりとSF成分多めのシナリオです。VR好きなら興味深いお話だと思います。
・TRUE開放には見る必要ないのですが【Another sky end】はゾクッ！としました。興味深い終わり方なので是非見てほしいですねえ。
※以下ネタバレ記事のため注意して下さい。
【うき編】あらすじ
ニュージェネの再来・第六の事件【非実在青少女】が発生。拓留の義妹の結衣が親友の伊藤の手によってバラバラにされてしまった。凄惨な光景を目にした拓留。伊藤は拓留への復讐だと言って拓留にもナイフを向ける。
結衣を心配していたうきが遅れて現場に駆けつけるが、結衣の無残な姿を見てパニックを起こしディソードをリアルブート。伊藤に斬りかかる！うきと伊藤の間に割って入る拓留は暴走するうきのディソードに刺されてしまう。絶叫するうき。大量に失血し一気に意識が遠のいてゆく拓留。いきなり拓留死亡かと思いきや….？
優しすぎる世界
意識が戻った拓留が目にしたのは簡単に言うと優しい世界でした。結衣ちゃんが死ぬような事件は起きてないし、ニュージェネの再来は終息。拓留はついに真の情強でリア充にクラスチェンジになるチャンスをGET！という8章までの流れとは180度逆の展開です。
・結衣は生きている。
伊藤が結衣ちゃんを殺した事件はただのタチの拓留の見た悪い夢だった？
・唐突に終息するニュージェネの狂気。
第六の事件は発生せず。ニュージェネはオワコン。もう誰も興味ナシという風潮が広まる。新聞部の面々もニュージェネはどうでもいいという態度。周囲の豹変ぶりに違和感を覚える拓留。
・拓留、ニュース番組のコメンテーターに大抜擢。
ごっつぁんDEATHで死亡した渡部の後任の形で、ニコニヤという巨大メディアで発言するチャンスを手に入れた拓留。これで情強ぶりを世間にアピールして皆から認められる！ん？渡部に対談のオファーをもらった事があるとはいえ、只のいち高校生が人気番組のコメンテーターに呼ばれるだろうか。
・拓留に美少女の後輩からラブレター。
蒼崎夢（あおざきゆめ）という二年生から手紙で交際を申し込まれる。拓留がリア充（笑）から真のリア充にクラスチェンジ！？
カオスチャイルドBGM紹介「RORSCHACH TEST -another-」
何とも気味の悪い曲（褒め言葉）でイントロが印象に残ります。ロールシャッハテストの得体の知れない図柄の恐ろしさをイメージした曲だと思いますがうきルートの都合の良すぎる世界の不可解さを演出するのにも一役買ってますね。
RORSCHACH TEST -another-
阿保剛
願望のリアルブートと山添うきの葛藤
なーんか突然良い事だけ起こるようになって不自然ですよね。都合の悪いことは全部“なかったことにして”幸せだけに満ちた世界はうきの能力による仮想現実だった。うきのギガロマニアックス能力は無意識に人の願望のリアルブートしてしまうというもの。
結衣のバラバラ死体を見て伊藤に斬りかかったうきは、彼女を止めようとした拓留に誤って刺されてしまう。瀕死になったうきは自身の願望をリアルブート。拓留にもうきにとっても一見すると都合のいい優しい渋谷に拓留を巻き込んで妄想世界に閉じ込めようとする。
現実に戻ったら結衣が伊藤に殺されている。「妄想の渋谷なら幸せになれます」と拓留をVR渋谷に閉じ込めようとするうき。一方で、拓留に現実に帰還してほしいと訴える“もうひとりのうき”。
VRうきの部屋で、2人のうきはディソードの刃をぶつけ合う。2人のうきは、彼女の願望と理性が戦っている様を描写いてますね。「妄想の渋谷押し」のうきは願望の象徴。蒼崎夢はうき自身でしたし拓留の理想の恋人になってみたかったんですねえ、うきちゃん。
一方「現実の渋谷押しの」うきは彼女の理性を体現した存在。うきの本質は他人の笑顔が見られるのが幸せという大天使な子ですから、一悶着ありましたが理性のほうが勝ちました。
「CHAOS;CHILD らぶChu☆Chu!!」が間もなくリリースですが…
それにしても、うきがリアルブートした優しすぎる世界。どうも新作の「CHAOS;CHILD らぶChu☆Chu!!」の設定を彷彿とさせます。カオチャLCCは、本編と同じ2015年10月が舞台でありながら拓留がなぜか事件を追いかけるのを放棄して女の子とイチャイチャするだけのゲーム（という触れ込み）
①ギャグみたいな事件になったニュージェネの再来。（第1～第4事件の犠牲者ゼロ。）
②拓留が事件追うよりえっちなことをしたいと願ったら“くそったれなゲーム”中止。えぇ…そんな簡単に本編の悲劇を止められたの？ 拓留自身もキャラ崩壊してますし。「くそったれなゲームをリタイヤしまーす！（イケボ）」じゃねーよｗ カオチャ本編の切ない雰囲気ブチ壊しだよｗｗｗ
③カオチャガールズもキャラ崩壊。PVでは拓留を誘惑しまくってます。
うーん…。本当にただのお色気ギャルゲなら万々歳ですが。。カオチャLCCは誰かの願望をうきがリアルブートしたVR渋谷で、恐ろしい現実が後半で明かされてプレイヤー発狂というオチではあるまいな？（真顔）発売前に公開されたイベントCGにうきが一切出ていないのも、何だかひっかかります。
【Dream sky end】
現実世界からの尾上たち必死の呼びかけもあって、拓留は少しづつ綻びを見せていたVR渋谷が崩壊する前に何とか脱出できたわけですが、その先に待っていたのは….。
簡単に言うとうきちゃん介護END。う～ん….。やっぱりバッドエンド…..。TRUE開放に必要なのは【Dream sky end】なのでこちらがうきルートの真のエンディング。うきが拓留を刺したのではなく、拓留のディソードでうきを刺したのが真実。そのせいで植物人間になってしまったうきちゃん。
体は無事だがいくら拓留が話しかけてもうんともすんとも言わないし、表情も変わらない。拓留が妄想の渋谷（夢の世界）で嘘の幸せな生活を送るよりはよほど健全だと思いますけど、うき編のトゥルーもまた、かなり苦い現実ですねえ。
カオスチャイルドって殆どのルートが終わり方つらいっす。。。真実の追求こそ素晴らしい！という信念を持った情報強者を自認する拓留が物語の真相に近づくほど、そこで目の当たりにする答えがロクでもない現実ばかりっていうのがまた….。プレイヤーの予想を超えまくるのは面白いですがショックでかいです（）
カオチャはTRUE ENDすら大団円じゃないですし。それどころか、かなりビターな結末でしたし。【TRUE END】（ハッピーエンドとは言ってない）
「お前の見ている世界は本物か？」【Another sky end】
うき編で特筆すべきは【Another sky end】が残した疑問だと思います。そもそも、うきだけ個別ENDが2つ目があるのは何らかの意図を感じます。このエンディングは「この世界は現実か？」というメッセージを投げかけたまま幕が閉じられてスッキリしません。
うきがリアルブートした幸せすぎる虚構の渋谷を脱出した拓留。現実に帰還した拓留は自分がうきをディソードで殺してしまったから「逮捕してほしい」と神成に申し出る。だがおかしなことに、うきの体に外傷なし。“山添うきは自然死”という奇妙な事実を告げられる拓留。
久野里いわく拓留を人殺しにしないため、死ぬ間際のうきが「拓留はうきを刺しておらず自然死だった」という妄想をリアルブートした。あるいは、拓留は現実に帰還しておらずこの世界が未だ妄想の渋谷である可能性を示唆する。
朝、夢から冷めてトイレで用を足したと思ってスッキリしたらまだ夢の中だった。という経験をしたことがありますが、あの時に感じた不可解な感覚を思い出しました。
拓留、神成、久野里が彼の部屋でそんな仮説の話をしていると、部屋の外の廊下からこちらを見ている視線を感じる拓留。そして廊下を見やると、うきらしき人影が….。人影は消え失せエンディングテーマが流れる。
これはちょっと怖い (((( ；ﾟДﾟ)))
それと夢から抜け出したと思ったその場所は依然として夢の中だったという展開はチヨスタ新作の「Anonymous；CODE（アノニマスコード）」に登場する概念の世界層を想起しました。「世界層」というのは、無限個の世界がビル状に積み重なった世界モデル。
最上階だけが（恐らく）本当の現実世界。最上階の下にあるのはすべて地球シミュレーターというコンピュータで作り出された超リアルなVRの世界というSF設定です。2017年リリースのアノニマスコードについては以下で。
話をカオチャに戻しますが、うきは妄想の渋谷の中に更に妄想の渋谷を作り出していたということなんでしょうか？ 結局真相はどうなっているのか。ぶつ切りで終わったシナリオなので続きが描けそうですねえ。
妄想にすぎませんが、上で書いたうきが他人の願望を無意識に仮想世界として現実化してしまう能力のことを踏まえると、続きの余地が残っている【Another sky end】が都合の良いハーレム世界である「CHAOS;CHILD らぶChu☆Chu!!」と何らかの関係があったりするんでしょうかね。
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