シュタゲ【ドラマCD】「暗黒次元のハイド」「哀心迷図のバベル」「無限遠点のアークライト」感想

『The Sound of STEINS;GATE 魂』収録のドラマCDのレビューです。評価が高いシュタゲ3大ドラマCDのドラマCD γ、α、βの3つのレビューです。

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本編で描かれなかった【萌郁ルート】ドラマCDγ「暗黒次元のハイド」

STEINS;GATE ドラマCD γ「暗黒次元のハイド」ダイバージェンス2.615074%

あらすじ

ルカ子を男に戻す為に送ったDメールが不発。世界線が予想外の変動を遂げた。ダイバージェンスが2%というぶっ飛び具合。この『γ(ガンマ)世界線』では岡部はSERNのラウンダーであり萌郁の相棒。

シュタインズゲート本編においてヒロインの中で萌郁だけ個別シナリオが存在しなかったのですが、それを補完するために用意されたものかと思われる。岡部が萌郁と共にラボと敵対する異色のエピソード。

α世界線から跳んで来た岡部の主観は本編そのままでありラウンダー岡部の記憶はない。そのためラボの皆に忌み嫌われ敵対しなければならない立場に岡部は苦悩する。

暗黒のγ(ガンマ)世界線

γ世界線では『2000年クラッシュ』が起こったことで岡部やまゆりの両親が死亡。2000年から7年ほど経済的な事情のためか離ればなれになっていた。そのため幼馴染というほどの中ではない様子。

岡部とまゆりの関係で重要なのは2005年の“人質”のエピソードだと思うので、これが“なかったことになった”場合ふたりの間柄が大きく変わるのは納得。他にもこの世界線はまゆりがずっと入院しており白血病であと数ヶ月しか生きられない状態であったり岡部がラウンダーのトップに上り詰めて2036年に300人委員会のトップに君臨する独裁者になる。

そのため2036年から来た鈴羽は最初からオカリンを敵視している。紅莉栖にはラウンダーとして人を殺している場面を見られており信用されていない。など色々とダークな設定になっておりまさに“なかったことにしたい”世界線です。あとダルの喋り方が必要以上にキモいw

とにかくDメールを送って元の世界線に戻らないければならない岡部は仕方なくラボに襲撃をかける。まゆりを殺したラウンダー。自分がその立場でラボメンたちに銃口を突きつけなくてはいけない…。これは辛すぎる。作戦名は『オペレーション・ドヴェルグ』

「悪の妖精ドヴェルグとなり、俺は…この世界を否定する!」このセリフがカッコ良かったです。しかし鈴羽に邪魔をされた上に他のラウンダーから狙撃され、更に自動小銃でも撃たれてしまいオカリンが瀕死になるが、萌郁の協力もあってDメール送信に成功。

「萌郁…ありがとう…」今にも消え入りそうな岡部のささやきとともに世界はゆらぎ、その姿を失ってゆく      

波の音が聞こえる。再構成された世界はラボメン8人で仲良く海水浴に行った帰り際だった。元の世界線には戻れてないみたいだけど皆とても幸せそうだったからいいか。

パパ大好き同盟】ドラマCD α「哀心迷図のバベル」

STEINS;GATE ドラマCD α「哀心迷図のバベル」ダイバージェンス0.571046%

あらすじ 

岡部がまゆりを死の収束から救うためにDメール実験によって歪めた世界線を軌道修正していった結果、残る1通のDメールを削除すればまゆりが死ぬ世界線から脱出出来る事がわかった。

しかしそのDメールを削除することは紅莉栖が7月28日に死亡した世界線へ戻ることを意味していた。紅莉栖の視点から描くシュタインズゲート佳境のエピソード。世界からの否定。父からの存在の否定をされた紅莉栖がフェイリスとの出会いによって気づいた事とは    

「まゆりを救おうとするなら 俺は…お前を見殺しにしないといけないんだ」ここで「哀心迷図のバベル」タイトルコール。とても先が気になる導入部分です。

Dr.中鉢×フェイリスパパ×橋田鈴(鈴羽)

フェイリスが持っていた古いカセットテープに刻まれた音声。そこにはラボより前にタイムマシンと作ろうとしていた3人のやりとりが記録されていた。紅莉栖の父である中鉢。 秋葉幸高はフェイリスの父。

そして橋田鈴(1975年に跳んで大学教授になった鈴羽)の3人のタイムマシン開発同盟。この組織は未来ガジェット研究所の前身ですね。彼らが成し遂げられなかった事を紅莉栖やダルが実現しますし。厨二病が入っていてまだ腐ってない中鉢にリアリストの実業家フェイリスパパ。

そして大人になったミステリアスな鈴羽のデコボコトリオのやりとりが面白い。橋田鈴はタイムマシンを作って未来へ届け物をしたい…と言っていますがこれは【IBN5100】を2010年の岡部に手渡したいって事ですね。この会話は中鉢の「紅莉栖が2歳」の発言から1994年。16年もひたすら待ち続けるのはキツすぎるな…。

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「あなたは ここにいていい」

2010年の7年前、紅莉栖が11歳の誕生日。紅莉栖は中鉢のタイムマシン論文をことごとく論破した。11歳に論破されちゃう論文を書く物理学者って…。いやこれは中鉢がダメダメなんじゃなくて紅莉栖が神童なんでしょうね。

紅莉栖は子供だったから空気は読めず地雷を踏んでしまった。わずか11歳の娘に自分の人生をかけた研究を否定された中鉢は大人げもなく「お前など この世に生まれてこなればよかったのだ!!」と紅莉栖の存在を全否定する。これはひどすぎる…。確実にトラウマになる思い出。

紅莉栖、11歳にして人生のどん底に突き落とされる。ハタからみたら成功者にしか見えない若干17歳の天才牧瀬紅莉栖。彼女が自らの過去を【失敗だらけの人生】と語るのは、謙遜でも嫌味でもなく大好きなパパとの関係が最悪なことが原因ですね。

だがこれは中鉢の本心ではなかった。この時仲間だったフェイリスパパと橋田鈴(鈴羽)は亡くなっており、タイムマシン開発も先行きが見えず荒れに荒れていた。そんな折りに早くも神童っぷりを発揮した小学生の紅莉栖に論破された中鉢は感情的になって娘に当たってしまった。

中鉢は本当はあんな事を言いたくなかったと話す。フェイリスが持っていたカセットテープで父の本心を知った紅莉栖に「あなたは 否定をされたりなんてしてないんだよ」「あなたは、ここにいていいの」とフェイリスが言葉をかけてくれる。こういうフェイリスの大人びた気遣いが凄い。

“私は自分の存在を肯定していいんだ”と気がついた紅莉栖。フェイリスとの出会いが父が昔残した本当の気持を紅莉栖に届けてくれた。ここに紅莉栖×フェイリスの【ファザコン同盟】が結成された!パパ大好きっ娘っていいよね…。

「“鳳凰院凶真”を殺さないで」ドラマCD β「無限遠点のアークライト」

STEINS;GATE ドラマCD β「無限遠点のアークライト」ダイバージェンス1.130205%

あらすじ

【ドラマCD α】と話が繋がってます。最後のDメールを削除しβ世界線に辿り着いた岡部の元に電話をかけて来た軍人鈴羽。鈴羽はタイムマシンに乗って7月28日跳んで欲しいと言う。死んだ紅莉栖を救う事ができるという信じがたい提案を持ちかけてくる。

2010 年8月21日、ラジ館の屋上で岡部は鈴羽と共にタイムマシンに乗り込んだ。2人の出発を見守るまゆりとダルは強い閃光とともに同じタイムマシンが2台出現するという奇妙な光景を目撃する。マシンが分裂した?更にまゆりが岡部から預かったケータイに着信メロディが鳴り響く。

まゆりのケータイに電話をかけて来ているのは……何とまゆりだった!

まゆりの“選択”がシュタインズゲートへの道を開く

小説版の【無限遠点のアルタイル】ならびに小説をゲーム化した『STEINS;GATE 0』まゆりルート【無限遠点のアルタイル】のプロトタイプだと思われるエピソードです。2036年から鈴羽が乗って来たタイムマシンの型式は【C203型】

実際シュタインズゲートに辿り着いた時に使用したマシンは【C204型】シュタインズゲート世界線まではあと1歩…!そういう状況を表してます。ラジ館に出現した2台目のタイムマシン。これに乗っていたのは1年後の未来から8月21日にやってきたまゆりだった。

彼女は1年前の自分にケータイで語りかける。今から1分後にオカリンは“失敗”して戻ってくる。そうしたら「オカリンを蹴っ飛ばしてでも立ち直らせて!」と。奇妙な自分からの伝言を受け取ったまゆりは絶望する岡部の頬を掌で叩く!

「諦めちゃダメだよ!」と岡部を励ますまゆり「でも…俺が…殺した!!「無駄なんだ…」とうなだれる岡部。「無駄じゃないよ」鈴羽が答えると不思議な事に岡部のケータイにメールが届いた。ここから先はドラマCDでは描かれてませんが、メールは送信日時が2025年のDメールです。

Dメールが届いたということは紅莉栖の救出に失敗して2025年まで研究を続けた“執念オカリン”の世界線に2010年のオカリンの主観が繋がったという事です。これは、まゆりがビンタをして岡部を勇気づけた事で鳳凰院凶真が死ななかったから。

そのため7月28日の時点で既に送られていたムービーDメール。最初は砂嵐しか写らなかったそれを見ることができる世界線にチャンネルを合わせる事ができた。

そのムービーは“メッセンジャー”である2025年の岡部が送ったものだった。『STEINS;GATE 0』の【TRUE EDN】『交差座標のスターダスト』で真帆といい感じになっていた岡部です。

過去の自分に伝言を伝えたまゆりは鈴羽と一緒に【C203型】で1年後に戻ろうとするが、マシンは燃料不足で制御不能。EDテーマ『運命のファルファッラ』が流れるバッドエンド。実はシュタインズゲートに到達するためにはいくつもの失敗した未来を経ているんですね。このまゆりと鈴羽が不憫でならない。

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