hukeさん描きおろしの気合いの入った紅莉栖のイラスト。外箱は辞書のようにしっかりした厚紙で作られています。外箱の中にはBOX本体とブックレットが収納されています。
50ページほどの小冊子です。全ディスクに収録されているコンテンツのリスト。ボーカル曲の歌詞。千代丸さんや声優さん。シナリオライター。アーティストの他、関係者の方々のコメントを読む事ができます。
Dメールを軸にしたシナリオで完全一般向け。恋愛要素を強め。岡部は探偵で事務所に舞い込んでくる不可思議な事件を追う。『想定科学ドラマ S;G』本気かジョークかわかりませんが、かなり面白そうだから困る。
ブックを左右に広げて底面に収まっている2枚のディスク取るとシュタゲのコラージュ・アートを眺めることができます。ちゃんとMr.ブラウンや綯ちゃんも混じってるのが嬉しい。ですが真帆がいないのはちょっと残念でした。
エンディングテーマ集。かがりEND曲。『星の奏でる歌』を新規収録。俺はZwei(ヅヴァイ)さんの『ライア』と『あの夏の日の思い出』を押します。どっちもイントロがさわやかなバラードです。
DISC 5『演』
上記サントラのオーケストラアレンジと着メロアレンジを収録。デフォルトの岡部の電話着信メロディ『Beginning of fight』を聴くとドキドキしますw
ラボメンNo.005萌郁に対応。DISCの色は紫。萌郁のガラケーの色ですね。萌郁は半分悪役なので紫は悪そうなイメージにも合致します。着メロが収録されているのもケータイ依存症の萌郁つながりか。
DISC 6『奏』
ボーカル曲のオーケストラアレンジ。ボーカルがないインストゥルメンタルもあり、こちらはRPGっぽい音楽に聞こえます。DISCの色は白。ルカ子の巫女服のイメージですね。とても純真な彼のイメージに合う色です。
DISC 7『劇』
新規ドラマCDを収録。下記にてレビューします。DISCのカラーはやはりピンク。これはもうNo.007のフェイリスしかありえない色です。このドラマにフェイリス登場してたら完璧だった。
DISC 8『宴』
このBOXの神髄。ドラマCDてんこ盛りDVD。『STEINS;GATE 8bit』のサントラというマニアックなアイテムも収録。DISCのカラーは黄緑色。ラボメンNo.008は鈴羽なので鈴羽カラーって事だろうけど。
ゼロの鈴羽がグリーン系のアーミールックなのでそっちの色かな?と思ったけど今回のDISCの色は初代OP『スカイクラッドの観測者』のOPムービーのキャラ紹介パートで使われる背景(または名前のフォント)カラーだと気が付きました。だったら岡部が黒で鈴羽がグリーンでも納得です。
『 STEINS;GATE 0』ドラマCD 001
【適応放散のパラダイスロスト】
あらすじ
『STEINS;GATE 0』のまゆりEND【無限遠点のアルタイル】の一年後の2012年7月。鈴羽の予言した通り世界はいつ“第三次世界大戦”がいつ始まってもおかしくない極度の緊張状態にあった。
そんな破滅に向かう世界線を変えるため、日本でダルと共にタイムマシンの基礎研究に取り組んでいる比屋定真帆。そんな彼女と、とある人工知能の出会いを描く『ゼロ』異色のエピソードです。
ネタバレなし感想
ゼロ本編とは様子が変わって、ダルの喋り方がキモくてお腹痛いwwダル役の関さんはドラマCDだと過剰な演技をするのは何ででしょうか?いや面白いからいいんですけどね。
中瀬克美ことフブキがどんな役回りかと期待してたら…またこういう役か!【リーディングシュタイナー】の能力のせいで、別の世界線の悪夢にうなされたりレスキネン教授にアレされたりで踏んだり蹴ったりだなあ。
あくまで普通の女の子である克美は日常パートで輝く存在なんでしょうか。ただ、フブキの「真帆ちゃん」呼びは良かった。真帆が年長者ということもあって、ちゃんづけするキャラがいなかったから新鮮です。また、真帆は22〜23歳。
フブキは17〜18歳位だけど大学生のカエデを「カエデちゃん」って呼んでるからアリなのか。こういうフランクな所がフブキのいいところです。年上に多少敬語を混ぜつつ、タメ口で話しかけてくる気さくさが好きです。
記念すべき、ゼロ最初のドラマCDは真帆視点の物語。
以下【ネタバレ記事】です。
“機関”に追われるオカリン
オカリンは潜伏中で出番なしです。【無限遠点のアルタイル】のラストで教授や軍の兵士達に向かってカッコ良く「フゥーハハハハハハ!!!」を決めた後にダッシュで逃げたんだろうか…。本当に“機関”に追われて逃亡生活をしてるとは。
オカリンの厨二演説の直前。タイムマシンで過去に跳んだ鈴羽とまゆりも出番なしで、登場キャラは真帆とダル。由季にフブキ&カエデ。それと新たなゲストキャラ。『Amadeus』紅莉栖は破棄されており少しセリフが出てくるくらい。
HENTAIダルとスパルタンな真帆たん
相変わらずこの2人のやりとりは笑えます。ダルが茶化して真帆がキレ気味で突っ込むのが基本。紅莉栖とダルの関係性に近い。
2012年。日本でもテロが多発し、アキバも物騒でよく電車が止まるらしい。そんな状況なのでメイクイーンにも行けない様子のダル。「フーフゥ、フゥ…フェイリスたんに会いたいお〜〜〜〜」言い方がすごいキモオタ風ww 「橋田さんは色んな組織にマークされてるから、もう外出自体危険よ」と真帆。
引きこもりですねわかります。ダルって基本自宅警備員だし何も問題ないな。フェイリスとはビデオチャットでお話すればよろし。危険といえば真帆が外出する度にいつ“誘拐”されるかハラハラするというダル。
「心配してくれて ア リ ガ ト ウ ♯」
「何かバカにされてるような気がするけど!!」
「真帆たんは“合法”だからダイジョウブ!」
「それ以上言ったら脳に電極を突き刺すわよ…!!!」
「あ〜是非お願いしますぅ〜〜〜(裏返った声で)」
喜ぶなw 言葉にならない声で唸りを上げて呆れ返る真帆。
【HENTAI】ぶりにブーストをかけ過ぎなダル。そして安定の真帆。真帆は小説付属のドラマCDで声が付いて以来キャラがブレませんね。相変わらず男前なお姉さんキャラでありつつ、清涼感と可愛さを備えた美声が良いです。
人工知能 『seizième』(セジエム)
2012年6月【SERN】をハッキングしてLHCを遠隔操作を企んだ何者かがいた。こんな“とんでもない事”をやらかすヤツは1人かいない。どこのスーパーハカーの仕業だよと思ったけど違ってた。
「私は『Amadeus』の16番目の子孫よ」そう言い放った彼女こそ犯人である“人工知能セジエム”。このドラマCDの新キャラクター。『Amadeus』紅莉栖が自らのバックアップから生み出した存在。seizième(セジエム)とはフランス語で16番目の意味。
彼女は新型脳炎で定期的に検査入院をするフブキの脳をハッキング。真帆とダルの研究所を突き止めて侵入する。“脳をハッキング”という攻殻機動隊っぽい言い回しがカッコE!
フブキの体を借りたセジエムはダルと由季をスタンガンで眠らせて研究所の施設を間借りする。そして外出から戻った真帆は彼女と鉢合わせする!
それにしても…“紅莉栖”から派生したAIは最低でも15体は存在するのか。その分身たちが紅莉栖なみの頭脳とダルに匹敵するハッキング能力を持っているなら
世 界 が ヤ バ い !!!
あいつら一人づつでも世界を揺るがす化け物スペックなのに、それを併せ持つ存在が世界中のネットワークに拡散してるならエラい事になりそう。そんな危険そうなセジエムですが目的はタイムリープでオリジナルの紅莉栖を助ける事。
それ事態は無理かもしれないが、紅莉栖が大好きで母親にあたる彼女の生きている姿を見てみたいという。あら…?意外とまともな動機。むしろいい子なセジエム。全然ヤバくなかった。
そのために真帆が抹消する以前の2010年7月のアマデウス紅莉栖にセジエムのデータを転送。“紅莉栖”と一体化を果たすという。そんなことして過去改変で世界線が変な方向に移動したらどうするんだ?って気もしますが、
基本にタイムリープでは世界線は変えられないですからね。厳密に言うと別のアトラクタフィールドに移動するような大改変は不可能。無印シュタゲにおいてα世界線でオカリンが何度も何度もトライして実証済み。だから今回のタイムリープは彼女の好奇心を満たす為の行為。
セジエムと同じく紅莉栖が大好きな真帆は親近感をおぼえたのか、あっさりとタイムリープマシンの使用を許可。2年前の7月に向けてセジエムは時を遡る…!
ドラマの時間は28分ほど。ゼロ本編に入り切らなかった幻のシナリオをドラマCD化したそうですが、それに伴いゲーム用プロットからボリュームを削ったそうで。
あくまでファン向け。BOXのオマケ要素という印象でした。ただ『アマデウス』がかかったのはアニメを見ている気分になって良かったです。また真帆とダルが好きならニヤニヤできるのでぜひ聴いておきましょう。
また、同じシュタゲドラマCDの中でも評価が高いα、β、γのレビューも投稿しました。
シュタゲ「無限遠点のアークライト」「暗黒次元のハイド」「哀心迷図のバベル」感想
『The Sound of STEINS;GATE 魂』収録のドラマCDのレビューです。評価が高いシュタゲ3大ドラマCDのドラマCD γ、α、βの3つのレビューです。 「“鳳凰院凶真”を殺さないで」ドラマCD β「無限遠点のアークライト」...
オカリン&まゆり好きは聴くべし!
『星の奏でる歌』・フルヴァージョン 3/13追記
「まゆしぃは思うのです この歌は、大好きな人を励ます歌なんじゃないかなあって」
イントロのピアノソロが良い。心が落ち着きます。ピアノソロ部分は短くてすぐボーカルが入るんですけど、もう少し長めでも良かったと思う。もっと聞いていたかった。曲の最後「優しい君が笑えるように」ここが一番いいフレーズです。何故か泣けてきます。“優しい君”はオカリンの事です。
“星”はまゆりの事。まゆりが空に向かって手を伸ばし、星々と交信するかのようなクセ。“星屑との握手”(スターダスト・シェイクハンド)からの連想です。
紅莉栖を救う事に失敗し悲しみと失意のどん底にいたオカリンを励まし、いつか立ち上がってもらうための応援歌。歌詞の“探し物”は紅莉栖の事。
鈴羽のように強引に叩き起こそうとするのではなく、ダルのように何も言わず見守るでもない。そっと岡部を揺り起こす。まゆりらしく、おばあちゃんのような慈しみに溢れてます。『オペレーション・アークライト』で結局ビンタするけどもw
曲を歌うのはかがりですが、本編ではまゆりが歌う『星の奏でる歌』が聞けます。
『STEINS;GATE 0』【相互再帰のマザーグース】より
“探し物”は紅莉栖の事だけではなく“私”の彦星様『鳳凰院凶真』の事も指してますね。紅莉栖を誤って刺殺した岡部は心を閉ざし鳳凰院凶真は死んだ。彼は一見すると天の川を隔てた遥か彼方に消えてしまったようだけど、本当はそうじゃない。
ちょっとだけ手を伸ばせば彼はそこにいる。いつか必ず鳳凰院凶真が再び目覚めると信じてこの歌を作った。祖母の死で世界から消え入りそうになった、まゆりの心を救ってくれた中学生時代の岡部のように自分も彼を助けたいと願って。
このまゆりの“人質”になったエピソードの描写も歌詞に入っていて、フルだと聞く事ができます。また気になったのは二番の歌詞の「さーがしものー“ふたつー”」という部分。探し物がふたつになってる!これはかがりの探し物を表していて、失われた記憶とまゆりママの事かな。
第三次世界大戦が起きた未来、孤児だったかがりを引き取りこの歌を歌って聞かせ彼女を元気づけたまゆり。かがりは過去に跳び中学生の岡部に歌を聞かせて励ました。そしてかがりの行動がトリガーとなり鳳凰院凶真が誕生する。
岡部の取ったまゆりを思いやる行動が時を越えて、過去の自分を助ける為に還ってきてますね。シュタゲらしく奇妙だけどほっこりするエピソードです。以上『The Sound of STEINS;GATE 魂』の紹介記事でした。
いとうかなこ メディアファクトリー 2016-03-02
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