『29とJK(にじゅうきゅうとじぇーけー)』の感想です。ツイッターのフォロワーさんが面白いとオススメしてくれたので読んでみました。
この記事の目次
『29とJK』とは?
中年でも若者でもない。29歳という微妙な年齢の社畜の青年が現場を知らない本社からの無理難題を攻略するために知恵を絞って部下たちと奮闘する社会人ドラマです。
一方でネカフェで出会ったJKが主人公の29歳を落とすために、あの手この手で誘惑してくるという逆ナンラブコメでもあります。ちなみにJCの妹と美人の部下(22)と元カノ(29)も主人公に惚れていて4人のヒロインが主人公を誘惑してきます。
主人公・槍羽鋭ニ(やりば えいじ)29歳は八王子のコールセンターの管理職。オタクな槍羽は休日にラノベやマンガを読むためにネカフェに通うのが癒やし。そこで出会ったJKの花恋(かれん)15歳は槍羽に叱られたことをキッカケに彼にベタ惚れ。花恋に交際を申し込まれる槍羽。
しかし社会人が未成年と交際するわけにはいかない。花恋に手を出すということは、このご時世において、淫行…タイーホ…社会的な死を意味する。花恋の申し入れを丁重に交際を断った槍羽。しかし本社から下されたパワハラ業務命令によって花恋との交際を余儀なくされてしまう。
本社から押し付けられるムチャクチャな業務「目標」。そして通報と隣合わせのJKとの交際。槍羽の明日はどっちだ??!!
ネタバレ無し感想
29歳の主人公がカッコイイ
タイトルにもある通り主人公は29歳。ラノベでこれほど年齢の高い主人公というのは珍しいのではないでしょうか。主人公が学生ばかりでウンザリしていた人には新鮮な設定です。中年まではいかないものの年齢高めの主人公が大人びていてカッコイイです。
管理職であり過酷な業務目標を達成しないといけない立場のため、リアリストな面をもっていますが社畜でありながらYESマンではなく無茶苦茶な上層部の提案には建設的な反論をぶつけます。
夢に向かって突き進む少年じゃないけど腐りきった大人でもない。夢のない現実の中で部下とお客さん一人ひとりの気持ちを大事にしながらクールに奮闘する熱い男です。
コールセンターのお仕事ドラマ
コールセンターを描いた社会人ドラマというのもラノベでは非情に珍しいと思いますね。コールセンターというのは顧客からの電話を取ることに特化した職場のことです。主人公のセンターは八王子にある自動車保険の相談・申込み窓口。
※以下ネタバレ記事のため注意して下さい。
以下ネタバレ 登場人物について
槍羽鋭ニ(やりば えいじ)
29歳の社畜。目つきは悪いが八王子のエースと称されるほど仕事ができる上にモテモテです。JK(15)とJCの妹(14)と美人部下(22)と元カノ(29)に惚れられている許せない男です(笑)とはいえ槍羽がモテモテの理由も本書を読み進めると納得の一言。ヤリさんかっこいい。
日々のコールセンターの業務を回すことに精一杯の泥臭い社畜だけど会社都合で部下を無下に扱ったりしない。「人」を大事にする情に厚い男です。
▼南里花恋(みなみさと かれん)
ラノベ大好きなJK。小説家を目指している情熱の塊のような少女。毎週のように29歳をネカフェで待ち構え、前のめりになって槍羽落とそうとする小悪魔。ちょっと悪い言い方をすると、すとーかーちっく。どんだけ槍羽が好きなんだ。
年齢差のあるヤリさんと会話を弾まさせるために90年代のネタを下調べしたり、会う日は朝四時に起きてお菓子を手作りしてくるという超健気な娘。
▼岬沙樹(みさき さき)
槍羽の高校時代の元カノ。同級生のため29歳だが、顔は10代にしか見えない。二次元はこういう外見がやたら若い設定多いですねw ▼のイラストだとだいぶ若い感じです。お前のような29歳がいるかw 沙樹は居酒屋で働く看板娘でチャキチャキっとした元気っ娘。
活発系女子が好きなので僕はメインヒロインの花恋より沙樹を押したいですねえ。主人公の妹と中が良くて、15の年齢差があるのに妹から「沙樹ちゃん」と呼ばれてる関係性も好きですわあ。この元カノ、妹に料理を振る舞って懐かれてるし計画的に槍羽とヨリを戻そうと狙ってるぞw
ネタバレ感想
槍羽が社畜生活で築いた財産
目標達成には圧倒的に人が足りない。プロジェクトを失敗すれば島流し….。がけっぷちに追い込まれた槍羽を助けるために退職した往年のベテランたち二十名が彼のもとに駆けつけるシーン!涙が溢れてきました。槍羽が必死に戦ってきた7年の社畜生活で築いたのは彼を慕って集まってくる「人」だった。
人を大事にする槍羽は自分の勝手な都合で、既に会社を離れた彼らにヘルプを頼めないでいた、まあ普通は辞めた会社から電話来たらイヤですよねw
だが…..「水くせえなあ」とヤリさんという人間に惚れ込んだ部下たちが自分たちの意思で会社に来てくれた。本気で困って困って、もうどうしようもない時に、向こうから喜んで助けに来てくれる人たちがいる。
こんなにうれしいことが他にあるでしょうか?主人公が大ピンチ!→仲間が集まる。ってのはベタな展開ではありますが感動しました。巨大な権力を振りかざして高所から人やカネを動かそうとする会社のお偉いさんが、社員に人権なぞない!とばかりに「人」を使い捨て駒のように扱うのに対して
ヤリさんは部下を思いやって彼らの事情や都合を親身になって優先してくれた。下から好かれる上司の鑑ですヤリさん。ヤリさんになら掘られてもいい!!! さすがやりちん!!(違)
ヤリさんとヒロインたちの恋の行方は?
ヒロインはあくまでJKなんですが、花恋とくっつくのは通報モンですし(笑)1巻の流れだとあまり現実的じゃないかな。ヤリさんと花恋は恋人というかラノベの添削をするコーチと教え子的な間柄で落ち着くのかな~と。同い年の沙樹(29)か部下の綾(22)が妥当なセンかな。
部下の渡良瀬綾もいい娘ですがちょっとキャラが弱いかな。あと酔って胸元をヤリさんに見せつけるだとかチョロインすぎますよもうw 社畜ドラマは結構リアリティを感じましたけどヒロインは妹以外は全員巨乳でチョロいし言動があざとすぎて、ファンタジー感バリバリでした。
まあ娯楽であるラノベで現実よりの女の子を描くってのも夢がありませんからねぇ。僕としては幼馴染カップルが好きなので沙樹とくっついてほしいですけど、結末はどうなるんでしょ?モテモテのくせに枯れてるしフラグをブチ折るのが得意なヤリさんなので誰ともくっつかないENDもありそうですが。。。
まとめ
挿絵はエロゲ風ですし女の子の描写もあざといですが、一方で主人公がとても熱い大人の男性で、男の僕でも惚れてしまうわ!という生き様を見せつけてくれる硬派なお仕事ドラマを描いたラノベでした!
本作を勧めてくれたフォロワーさんによると1巻もいいけど「2巻は心に刺さってもっといい」そうで。どんなふうに僕の記憶に足跡を残してくれるのか、2巻が楽しみです!
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