シュタゲ『鈴羽END』感想・解説記事です。無限ループに疲れ段々と腐っていく黒い岡部と、そんな彼の状況を鋭く見抜く熱い鈴羽が見所です。
前回までのあらすじ
シュタインズ・ゲート『Chapter6』【形而上のネクローシス】のラストで、鈴羽尾行を取り消すDメールを送る決断ができなかった岡部は打開策がないままタイムリープマシンで2日前に戻る。
【STEINS;GATE】鈴羽END シナリオまとめ
①8月13日。過去に飛んだ鈴羽が“失敗”したことを知った岡部達。
②Dメール送信で鈴羽の思い出を消せば彼女の悲壮な最期を打ち消せる。
③だが、父親と会えた鈴羽の思い出を“無かった事にして”いいのか?
④迷っている時間はない。間もなく萌郁達の襲撃でまゆりが殺される!
⑤だが、岡部は鈴羽の思い出を消すDメールを送る決断ができなかった。
⑥決断を先延ばしにして、タイムリープマシンで2日前に逃げる岡部。
⑦まゆりも鈴羽も助ける為に岡部が選んだのは“同じ2日間を繰り返す事”。
⑧岡部が皆にコミマ会場までのサイクリングを提案。
⑨ビッグサイトに自転車で向かう鈴羽、岡部、ダル、紅莉栖、まゆり。
⑩ループ4週目。晴海大橋をさわやかにサイクリングする一行。
⑪鈴羽は、岡部の顔を見て何かに気がついた様子。
⑫ループ10週目超え。早くも岡部が狂い始め、黒い感情が沸き上がる。
⑬ループ数百〜数千回。心が死にかけの岡部。ダルや紅莉栖に当たる。
⑭ループを見破る鈴羽。「君は“緩慢な自殺”をしようとしているだけ」
⑮“失敗する予定”聞かされた鈴羽は、岡部に一緒に来て欲しいと話す。
⑯世界線を変えるため2人で時を遡って戦うぞ!エンディングへ。
永遠の2日間
鈴羽は8月13日の金曜日に1975年にタイムトラベルするが記憶を失ってしまい、
『IBN5100』の回収に失敗。絶望の果てに自殺した。また同日には、まゆりが
必ず死んでしまう。2人を守るために岡部が選んだ方法は…
8月11日夜から、まゆりが死ぬ13日の20時直前までの“48時間を延々と繰り返す”
こと。ループ4週目。オカリンまだ正常。サイクリングで晴海大橋を通って東京
ビックサイトに向かうラボメンたち。
バテバテのダルが歩道と車道の間の欄干でもたれかかって休んでいると、
猛スピードのトラックが通り過ぎ、危うく接触事故寸前。オカリンはダルを歩道側に引っ張って助けた。
目的地のビックサイトに到着。鈴羽の父(ダル)と母(由季)はコミマ会場である
ビックサイトで出会ったという。その場所を見られて感動する鈴羽。
▲『ゼロ』で由季がBL好きという描写は特になかったですね。むしろ腐っているのはクリ腐ティーナ『STEINS;GATE』【不可逆のリブート】より
ループ10週を超えたあたりで岡部が狂い始める。不吉なBGM『Chaos mind』が流れる。こええええ…。トラックに接触しそうになるダルを、助けなかったら
どうなる?という黒い好奇心が芽生える。「人生には適度な刺激が必要だ」
「どうせこいつが死んだってまたリセットすれば同じだしな…」
おいおい…なんて事を。ダルはお前の親友だろ?オカリン。ダルは無事だった
ものの、自らに芽生えた予想外の感情に怯える岡部。
岡部倫太郎の“ディストピア”
ループ回数、数百回から数千回。仮に1500回だったら、よ、4年くらいか…。さわやかな晴海大橋のサイクリングシーン…のはずが、BGMは最初から
『Chaos mind』だからこの曲怖いってば!
永久に続く繰り返しの拷問に、 岡部が限界なのか、のっけからダーク。バテバテのダルは、
「今なら水のために人殺しもできそうだお」
と軽口を叩くと、
「やれよ…人殺し…」
と口にする。岡部感じ悪すぎる!と注意する紅莉栖に
「仕切るな…委員長キャラ…」
と、もの凄く冷たく返す岡部。
完全に腐ったオカリン。だが、まゆしぃに当たる描写はなかった。流石にまゆりだけは扱いが違うのね。様子がおかしい岡部に厳しい視線を
向ける鈴羽だ。
だがオカリンは無視した。ビックサイトに到着。鈴羽はオカリンに問いつめる。「君は今日という日を何度も経験しているんでしょ?」鈴羽は岡部が2036年の人達と同じ目をしていると
話す。2036年。『SERN』の支配による“ディストピア”。それは極端な管理社会。一見平和だが、自由は絶無。そんな未来で人々は
生ける屍となり、感情を殺して死んだような目をしていた。岡部が逃げ込んだ
無限ループの状況は奇しくも、鈴羽が憎む未来のディストピアとよく似ていた。
「岡部倫太郎!あたしを見て!心を殺さないで!!」
そう必至に訴えかける鈴羽に、岡部はループに逃げ込んだ事情を打ち明ける。鈴羽が過去に跳んで25年間
記憶を失い、自ら命を絶ってしまうことも…。
「鈴羽も…まゆりも仲間だ…。どちらも失うわけにはいかない。」
と岡部。泣けます。こういうヤツだからオカリンは人望あるんだよなあ。
不可逆のリブート
岡部は永遠に2日間を繰り返していれば、誰も傷つかないと語るが、鈴羽に反論
される。そう、岡部の心はすり切れる寸前。岡部が完全に精神崩壊した時。
ループを続ける気力はゼロになり、まゆりは8月13日に死ぬ。
2017-07-07ループを続けるのは緩慢な自殺に過ぎないと、そうキッパリ言われる。
「そんな事するくらいなら一緒に来て!」と鈴羽。一人で跳んで“失敗”する
なら、あたしが失敗しないように助けて欲しいと言う。
鈴羽の予想外の誘いに、岡部の心に感情の色が戻り始める。ふたつ返事で彼女と
過去に跳ぶ事を決意するオカリン。「今まで気づいてあげられなくてごめんね。」と謝る。やっぱり鈴羽は優しい。こういうとこはダルに似てるんだよなあ。
サブタイの『不可逆』は過去にしか行けないタイムマシンで1975年に跳ぶ事を
指してますね。『リブート(reboot)』は再起動。2010年のアトラクタフィールド大分岐までは1975年から35年あるので世界線を変える準備期間はたくさんある。
ちょっとその後が見てみたい。鈴羽とオカリンの駆け落ちっぽいエンド。
そういえば、シュタゲってタイムマシンで旅立つエンディングが多いですね。
以上『不可逆のリブート』レビューでした。
鈴羽は2017年9月27日に誕生!
不可逆のリブートとは直接関係ない話題ですが、鈴羽のトピックを追記します。
なんと2017年は鈴羽が生まれた年なんですよね。シュタインズ・ゲートのゲームが出た2009年から8年も過ぎていたんだなあと。鈴羽誕生なんて未来の話だと思ってたのにあっという間にその時が来てしまいましたね。
それとチヨスタ関連の時系列ネタではロボティクス・ノーツの舞台になる2019年ももうすぐですね~ひええ…。
▼また鈴羽ENDとは直接つながりませんが、Chapter6で鈴羽が過去に飛んでからのその後を描いた「恩讐のブラウニアンモーション」は超おもしろいです。
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