“蜘蛛の糸”『僕だけがいない街』第十話【歓喜】第十一話【未来】レビュー

『僕だけがいない街』第十話と第十一話の感想です。シナリオはフィナーレに向けて盛り上がってます!

スクリーンショット(2016-03-13 18.31.06)犯人の次の狙いは中西彩。彼女と接点を持とうとする悟だが…。

『僕だけがいない街』第十話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

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第十話【歓喜】

オリジナルの人生の1988年。誰も救えなかった自分を責めた悟。悟は忘れようとしたが心に空いた穴を埋める事はできず18年が過ぎた。

だが歴史は改変されつつある。加代を救うことに成功した。広美も彩もひとりぼっちにしない為に行動する悟たち。“オリジナルの人生”という言い回しが印象に残りました。リバイバルしてるから当然の状況ですがすごい言い回しだなあ。

リア王ならぬリア充カズ

犯人第三のターゲットの中西彩に近づいた悟、ケンヤ、広美の三人。彩は河川敷沿いにある休憩スペースで読書していた。「何読んでるの?」彼女が読んでいる本からきっかけを掴もうとする悟グループのブレーン・ケンヤ今日も知的に決めるぜ。(キリッ!

だが本のタイトル『リア王』を見て、滝汗をかくケンヤ。彼はシェイクスピアの本は『ロミオとジュリエット』しか読んだ事がなかった。更に彩にアジトの事を子供っぽいと言われて動揺しまくり。ケンヤあえなく轟沈。いつもクールな彼が顔を赤くして慌てるとは。初めて小学生らしい一面を見せましたね。

「アジト?どうせヒーローごっことかでしょ?」とあしらう彩に悟さんが反発する「ヒーロを馬鹿にすんな!!!」落ち着け29歳!悟たちを不審がり彼らに背を向ける彩。ここで去ろうとする彼女の前に立ち塞がったカズは宣言する。「アジトは男のロマンだーー!!!」

赤くなる彩。なんでww 「ヒマだったらアジトに来い!」そう男らしく彩に告げる。彼のインパクトのある行動が記憶に残った事が良かったのか、翌日アジトに遊びに来た彩。この子ちょろい

後日、即カズの彼女になる彩。カズすごいな…。彼がいなかったら彩は殺されてたかもしれない。2話で雛月と悟の中を取り持ってくれて以来、目立ってなかったカズが大活躍。とにかくこれで彩の“ひとりぼっち”を解消し犯人のターゲットから外す事ができた。これで計画的に失踪・殺害された3人は全員守る事ができたはず。

スクリーンショット(2016-03-13 15.22.21)広美の髪を結わえる彩「ほら、こうすればもっと女の子になった♪」だが男だ。

『僕だけがいない街』第十話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

本性を現した真犯人

はい。やっぱり犯人は八代先生でした。美里がクラスで孤立している事に気がついた悟は放課後、美里がアイスホッケーの応援で若葉体育館に向かった事を広美から知らされる。“ひとりぼっち”にするのは危険なので彼女を追う悟。美里は一人で観客席にいた。彼女を見守っていた悟さんだが、トイレに行った後なかなか出て来ない。

トイレの前で美里を待っていると搬入口から八代が現れる。「悟? お前何やってんだ?」お前こそ何してんだよ八代。美里が搬入口から出て行ったと、しれっとウソを付く八代。道路を見ると白鳥食品の軽トラックが走り去って行くのが見えた。不審な担任には疑問を抱かずあの車を追って欲しいと八代に協力を要請する。

“ユウキさん家のクルマを使って”真犯人が美里を誘拐した。悟はその可能性を考えたわけだ。しかし悟がそのような思考に至ったのは周到な八代の罠だった。実際には美里は誘拐されておらず、ずっとトイレにいた。

自分の思考を先回りする“存在”がいる。そんな疑念を抱いた八代は悟を試合会場におびき寄せるため、クラスで浮いている美里をアイスホッケーの応援に呼び、それを広美に教える。

スクリーンショット(2016-03-13 15.15.36)ついに本性を露にした八代。トンネルの赤ランプに照らされ、悪意のある笑みを浮かべる。

『僕だけがいない街』第十話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

美里に下剤入りの飲み物を飲ませて、いなくなったように見せかける。それをやったのは白鳥食品のクルマだと思わせるため弁当を注文しておく。これこそが僕の本来の姿だ」そう語る八代。完全にはめられた悟。

「善行も悪行も本質は同じ。人が自らの欠陥を埋めようとする行いに過ぎない」物騒な事を言い出したぞ。その考えなら誘拐殺人が正当化できると思ってるだろうかこの男は。サブタイの『歓喜』騙されました。悟が加代たち3人を助けられた事でなく、八代のシナリオ通りに悟を捕まられて歓喜したってことか。

“走馬灯”

「嘘だ!」八代が黒幕であると知ってショックを受ける悟さん。心のどこかに疑惑はあったものの、八代を信頼し父親のような面影すら見いだしていた悟はその疑念を自ら“なかったことにしていた”。悟さんは人が良すぎる。あと、演出で見せなかっただけで6話で出てきた容疑者リストに八代の名前もあったんかい!

八代の運転するクルマは人のいないキャンプ場へ。池の前で停車。細工でもしたのか悟の乗る助手席のシートベルトが外れない!悟をクルマに閉じ込めたまま八代は降りる。バスケットボールでアクセルペダルを押して冬の池に突っ込ませる。悟、溺死の危機!シートベルトを下に潜って抜けられないの?

悟さん死亡でBAD END!?彼の脳裏に浮かぶのは走馬灯。そういえば1話サブタイトルが【走馬灯】だった。ここでこのキーワードを思い浮かべる描写があるということは……まさか次回は1話の病院で寝ているシーンに繋がったりするんでしょうか?

スクリーンショット(2016-03-13 19.28.35)

記憶のフィルムが切断される演出。悟の人生は死へと改変されてしまうのか。

『僕だけがいない街』第十話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

さようなら悟さん。勇敢に行動し加代と広美と彩を救った君のことは忘れない。したっけ!したっけ〜!……では終われないはず!なので次回がどうなるか、11話は超・絶・必・見ですね。ネタバレ回避のためかいつもは更新されている11話のあらすじが公式に来てないですね。

僕街も残す所ラスト2話。物語がどんな結末へと辿り着くのか興味は付きません。愛梨に八代をブン殴ってもらってスカっとする幕引きを希望しています。

第十一話【未来】

十一話の見所はオープニング映像の特殊演出と八代先生です。サブタイトルは『未来』すでに最終話のような副題ですがフィナーレは次回となります。

スクリーンショット(2016-03-27 17.41.55)八代には雛月に“蜘蛛の糸”が見えていた。

『僕だけがいない街』第十一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

八代学(ヤシロガク)のモノローグ “蜘蛛の糸”

「ソレガキミダヨ “サトル”」

八代のウィスパーボイスが怖すぎ…。見ていて変な笑いが出てしまった。まるで悟の耳元にささやくかのように語りかける。八代先生は小学生の頃からかなりヤバいタイプだったことが判明。クラスの女子にハムスターをたくさんもらった→水の入った瓶に全て落とす(普通は落としません)→溺死した他のハムスターを踏み台にして生き残った一匹を見て「正直シビれた…ゾクゾク」と語る。

サバイバルしたハムスター(命名:スパイス)に出会ってから人間の頭に“蜘蛛の糸”が見えるようになった。それは病気ですね。そして“蜘蛛の糸”が見えた人間を殺してきた。時空を越えるというチートで八代の計画を先回りして阻止した悟だったが、彼の頭にもそれが見えるようになったので罠にかけてキャンプ場の池に沈めた。

ハムスターと同じ殺し方か…。だが悟は死なかった「僕はそいつに“スパイス”と名付けて“観察”することにした。」怖い怖い!悟の事をお気に入りのモルモット扱いか。

八代の目で蜘蛛の糸が見える人間って必死に逆境を生きようとする人なんですかね。蜘蛛の糸を伝って地獄から極楽に登ろうとするカンダタが糸が切れて地獄に逆戻りしたように、母親の虐待に耐えて精一杯生きていた加代を絶望させるのが愉しかったんでしょうかコイツは。

“僕だけがいない街”の意味

八代のゾクっとするようなモノローグを終えてOPテーマ『Re:Re』が流れ始める。いつもの疾走感のあるイントロがいいなあ…と思っていると何か違和感が。ん?悟が1コマも出て来ない。完全に消え…僕だけがいなくなっとる!ここに来てタイトル回収キタよ!

スクリーンショット(2016-03-27 17.37.00)11話は“藤沼悟の消失”をOPで再現

『僕だけがいない街』第十一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

そしてAパートへ。十話でクルマごと池に沈められた小学五年生の悟(29)こう書くとややこしい。悟は昏睡状態となり長い長い眠りについていた。その期間はなんと15年。悟が目覚めるまでカーチャンの佐知子がずっと悟の面倒を見てきたという。毎日4時間体のケアをしていた。

佐知子さんは本当に女神のような人だ。普通目覚めるかどうかもわからないのに15年も心折れずに頑張れないよ。「この世界で子供が一番大事だ」と言ってた通り息子への愛ですね。刺殺された佐知子をリバイバルで助けた結果、深い傷を追ってしまった悟の面倒を見るという構図になってますね。

『僕だけがいない街』とは悟のリバイバルによって過去改変された世界の事を指していたんですね。第二話に『私だけがいない街』という雛月の日記がありました。作中では母親から虐待を受けている雛月のSOSだと悟が判断していましたが、

実は過去改変前の世界を暗示していて日記を読む加代のモノローグ「遠く…遠くへ行きたい」の言葉の通りこの世からいなくなってしまった加代。

スクリーンショット(2016-03-27 16.10.57)

日記『私だけがいない街』は雛月が助かる改変後の世界『僕(悟)だけがいない街』と対になっていた

『僕だけがいない街』第十一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

悟が2度過去に戻り加代たちを救った。その結果未来への流れが変化し佐知子も助かった。真犯人である八代を追いつめたものの返り討ちに合った悟は植物状態となり15年間みんなの前からいなくなってしまった。15年を失ったのは過去を改変した代償か。

強くてニューゲームは人助けにしか使えないのかも。悟の治療の都合なのか佐知子は悟を連れて東京に移住していた。悟が目覚めてから次々と旧友たちが訪れる。医師になったヒロミ。弁護士のケンヤ。そして加代。彼女はヒロミと結婚。“未来”という赤ちゃんを連れて来ていた。本来の歴史では死んだふたりが悟の努力のおかげで新しい命を授かったというのが良いですね。

泣いている未来ちゃんの掌に悟が掌を合わせる。この瞬間悟の記憶が戻り始めたみたいですね。病室に戻った悟の下に担当医の北村先生がやってくるとリハビリの量を倍にして欲しいと頼む。記憶が戻った悟はやるべき事に気がついたようです。それは八代を捕まえる事。

北村先生が病院の理事と電話で話すシーン。目覚めた悟の事で何かを頼まれているようだが「私の患者はマウスではありません」と断る北村。この会話は何?後に八代と知り合いと判明するからこの理事もブラックな輩かもしれない。

ケンヤと澤田が一緒に見舞いに来る。澤田に「はじめまして…」という悟。少し汗をかいてうつむく。やっぱり記憶戻ってるな。3週目のリバイバル前に2006年で会ってるし澤田のおじさんの事は憶えてるよ。そんな悟の様子を昔のようにじっと観察するケンヤ。相変わらず悟が好きだなケンヤは

15年越しの最終決戦へ

悟が白血病の少女、久美ちゃんと病院敷地内の庭で話しているとスーツの男が現れる。「忘れてしまったかな?」

「小学校五年の時担任だった八代学(ヤシロガク)だバサッ バサッ バサッ !
八代のセリフの語尾にかぶるようにして飛び立つカラスの演出。不吉すぎる。悟の病室で話す2人。リンゴをむく八代。「この15年…君が目覚めるのを心待ちにしていた」果物ナイフを持ちながら悟に語りかける。凄いハラハラしますね…。

いつ悟を殺せるかなあ?(ワクワク)なんて思いながら15年待ちこがれたのか。何という執着。八代おかしい。しかも植物状態から意識が戻るかわからない状態だったのに、悟が目覚めるのを確信してたよこの人。カーチャン並みの愛かよ!歪んでるけど。後日再び病院を訪れた八代。廊下ですれ違った悟は「八代先生 話せない?」と声をかける。

「“ちょうどいい”場所があるんだ」(君を殺すのに)悪い顔になる八代。その場所とは病院の屋上。OPのラストで悟が銃撃されているシーンがあったけど、まさに屋上が最終決戦ステージなりそうな雰囲気。

スクリーンショット(2016-03-27 15.33.14)邪悪なドヤ顔をキメる八代。悟を殺す気満々。

『僕だけがいない街』第十一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

八代!俺の記憶は…戻っているぞ!」悟さんカッケー!でも車いす状態でどうするんだ?屋上から突き落とされるぞ。ただ悟は八代に再会した時点でとっくに記憶を取り戻していたはずなので何か策を用意してきたのかも。

八代が屋上に来る前に久美ちゃんの病室にケータイを置いて行ったけどあれはアリバイ工作?悟から伸びる蜘蛛の糸(八代ビジョン)が写る演出が入る。きっと八代はこう思っているね。

「あの時の僕を追いつめた悟クンが帰って来た!!!!(歓喜)」この男 殺る気マンマンだ。