2月のクリスマスツリー『僕だけがいない街』第一話~第三話レビュー

藤沼悟(29歳)は売れない漫画家でピザ屋のバイトで生計を立てていた。悟には悩みがあった。彼が『リバイバル』と名付けた、“時間の巻き戻り現象”。悪い事が起こる直前に決まって1分〜5分くらい前に戻されてしまうのだ。

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かんたん『僕街』キャラ紹介

スクリーンショット(2016-01-28 21.31.58)

主人公と3人のヒロイン
『僕だけがいない街』オープニングより引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

藤沼悟(後ろ)

29歳の売れない漫画家。年齢の割に若く見える。ピザ屋のバイトで生計を立てて
いる。“リバイバル”と彼が命名した、数分前に時間を戻される現象に翻弄される
日々を過ごす。

18年前、小学5年のクラスメイト、雛月加代が誘拐殺人事件で帰らぬ人となった
事が心に引っかかっている。


片桐愛梨(左)

元気な女子高生。悟のバイト仲間で12歳くらい年上の悟にもタメ口で話しかける
気さくな子。理由はわからないが悟の事を気にいっているようだ。

雛月加代(中央)

悟の小学生時代の同級生。昭和63年3月に失踪。誘拐殺人の犠牲者となる。
真っ赤なコートが特徴。冷めた態度で、何かにつけて「ばかなの?」と口にする。

藤沼佐知子(右)

悟のカーチャン。1話で交通事故にあった息子を心配して、彼が一人暮らしを
する東京まで駆けつける。鋭い観察力を持つ母は、18年前の誘拐殺人の真相
辿り着いた様子だったが…。

第一話【走馬灯】

『リバイバル』発動で、トラック事故を防ぎ子供を助けた悟だが自分は事故ってしまう。
2日間病室で意識を失っていた彼は不思議な夢の中で少女に出会う。

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スクリーンショット(2016-01-13 22.13.35)セピア調の世界の中で一人、赤く彩られた少女、加代
『僕だけがいない街』
第一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

夢の中で加代が「目が開いた」と言った途端に、病室で眼を覚ます悟。何やら重要な伏線らしきシーンです。簡単に伏線と気がづいたら、それは伏線じゃないらしいので、ミスリードなのかもしれませんが。

元気いっぱい“片桐くん”

悟のバイト先の女子高生。活発でフランクな片桐愛梨ちゃん。彼女は、最初から
悟に好意があったようですが、彼がトラック事故から子供を助けたのと、悟の
カーチャンと3人でカレーを食べてから、呼び方が「藤沼さん」→「悟さん」
にクラスチェンジ。

悟が彼女の事を「片桐くん」と呼んでますが、年下の女の子に、くん付けをするのっていいですね。微妙な距離感が面白い。ちょっと使ってみたいけど、会社の年配の上司が部下の女性に使ってたからちょっと古い言い回しなんだろうか。

スクリーンショット(2016-01-14 18.39.31)「カレー食べてく?」と言う悟母に、「お手伝いします!」と敬礼する愛梨
『僕だけがいない街』
第一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

「ちょきちょき」「藤沼さんって薄い膜で覆われてるみたいだから」と口にする“片桐くん”。悟にとって平成生まれの愛梨の言動がよくわからない。「変な女」なんて言ってたけど、これは仲良くなりたいという合図でしょう。

意識が戻った悟に「友達とか彼女さんに連絡とってあげようか?」って言ってたし。さりげなく彼女チェックする愛梨。1話にして、ヒロイン?と距離が近くなりました。鋭そうな悟のカーチャンもあの娘は脈アリだべって見抜いてた。29歳で女子高生に好かれるだと…?
おい悟、俺と代わるんだ。

突然の惨劇

18年前…悟が小学生の時、誘拐殺人事件が起こった。この犯人に気がついた様子
カーチャン、佐知子。犯人はあれからずっと、何度も同じ手口で誘拐を繰り返していると推理。佐知子は昼間の駐車場でも同一犯による誘拐未遂を目撃。

その声でカーチャンが推理シーンやると、コ◯ンみたいですねw
アパートに悟が帰って来たと思い、佐知子が後ろを振り返ると        
突然、両手で包丁を持った男に、思い切りズブリと刺されてしまう。
これはかなりショッキングなシーンです。

スクリーンショット(2016-01-13 22.19.45)アパートに帰った悟は母の信じられない姿を目にする。
『僕だけがいない街』第一話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

事件直後、帰宅する悟。ご近所のオバチャンに犯人だと勘違いされ通報されて
しまう。ちょっと気になったんですが、悟が佐知子の死体を発見した時、
背中側の刺し傷が消えていてて、腹部に包丁が突き刺さってました。

包丁の刺さっている位置が変わった?これは妙ですね。うーん、ただの作画ミスなのか何か意味があるのか。

“再上映”(リバイバル)

今までの時間逆行は1分から5分ほどだったが、佐知子が刺殺された後、アパートの外廊下に『青く光る蝶』が出現。なんと2006年から、昭和63年(1988年)まで
一気に『大跳躍』してしまう。見た目は子供。頭脳は大人!になってしまう悟。

スクリーンショット(2016-01-13 22.16.43)【リバイバル】発動直前に必ず出現する不思議な蝶々
『僕だけがいない街』第一話より引用

©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

18年前の誘拐殺人事件で帰らぬ人となった、悟の同級生、雛月加代。彼はずっと彼女を助けられなかった事が心に引っかかっていたようだ。悟が過去に飛ばされたのは、事件の真相を突き止め、加代を助ける為なんでしょうか? しかしカーチャンはどうするんだ。

第二話【掌】

2006年から元号が変わる前の昭和63年にタイムリープしてしまった悟。彼が“再上映”(リバイバル)と名付けた時間遡行現象。これが発動する時は、決まって悪い事が起きる前。悟が18年も時を遡った理由とは?

物語は昭和63年編を中心に描かれますが“昭和最後の年”に悟の周りで重大な事件が起こったというのは彼にとってのターニングポイントであることの表現だと思う。

スクリーンショット(2016-01-24 5.03.52)“昭和63年編”からは画面上下を黒い枠で挟む演出が導入される。
『僕だけがいない街』第二話より引用

©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

OPテーマ『Re:Re』

アーティストは『ASIAN KUNG-FU GENERATION』このチョイスが面白いのは、
この曲も“リバイバル”であるということ。『RE:RE』はアジカンが2004年に
リリースしたセカンドアルバム『ソルファ』に収録されていた曲。
これを、アニメ『僕街』用に再レコーディングしたそうな。

曲の明るめな感じが作品と合ってないと思いましたが、1〜3話を見た後は、歌詞が作品と重なる部分があり物語にマッチングしている事に気がつきました。曲は10年以上前に作られたのに作品にフィットする偶然が興味深い。「高架下」と「後悔した」が韻を踏んでいるのがイイ。疾走感のあるイントロも大好きです。

Re:Re: (Anime Size)
ASIAN KUNG-FU GENERATION
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母・佐知子の死を回避するには

悟の経験上、“リバイバル”は悪い事を回避するために起こる。過去に戻された後、
周囲を見渡すと“違和感”がある。(1話で意識がないまま運転していたトラックの
ドライバーなど)その違和感を追えばトラブルを避ける糸口が見つかる。

昭和63年は母を助ける為の分岐点。佐知子を刺殺した赤い眼の男は、母の推理では雛月の誘拐殺人の犯人っぽいですし、この男の犯行を阻止するなり、捕まえるなりすれば、未来が変わるかもしれないですね。

そして、悟が小学5年の時の違和感といえば雛月加代の不可解な死だ。雛月に
踏み込んで、彼女に一周目と別の行動を取らせれば、過去が変わり事件を回避
できるのでは、と仮説を立てた悟。

スクリーンショット(2016-01-24 5.14.37)

雛月の死をずっと後悔していた悟。18年の跳躍は雛月と母を助けるチャンスと考えた。
『僕だけがいない街』第二話より引用

©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

「バカなの?」

感情を表に出さないツンツン少女。雛月加代。冷めた彼女の口癖は「バカなの?」淡々と、そうつぶやく。悟が友達になりたいというと、「友達…じゃあ…」
「私のために人を殺せる?」と子供とは思えない衝撃的な言葉を口にする。

スクリーンショット(2016-01-24 4.54.52)

感情を封じ込め、あまり人と眼を合わせない雛月加代
『僕だけがいない街』第二話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

母を心配する悟とは対照的に、「母親ってそれほど大事なもの?」と悟に訊く。
彼女の体にある痣から、母から虐待を受けていると推測する悟。こんな小さい子に殺して欲しいなんて感情を抱かせる人物とは、やはり虐待母なのか?

 早くもデレる雛月ちゃん

雛月の行動を変える為、3月2日の悟の誕生日パーティーに招待する悟。
「雛月に最初に渡そうって決めてた」と言われて感情が動いた加代。
彼女は「藤沼、手袋してないでしょ」と言い、悟の掌に自分の掌を当てて
温めてくれる。10歳の子といい感じになってドギマギする悟(中の人は29歳)

また悟の「雛月に嘘を付かないって決めたからな」という言葉に、デレる雛月。
早いよ!!こういうのは、ツン時代を長〜く積み重ねて溜めた後に、デレると
破壊力が全然違うのに。

スクリーンショット(2016-01-24 4.40.56)悟の行動で無感情を装っていた加代の心に火が灯る。
『僕だけがいない街』第二話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会


ふたりが話していたのは、雛月の失踪後に遺体が見つかった公園。
「こんな場所で、雛月をひとりぼっちにさせない」そう心に誓う悟。とはいえ…“ループもの”のお約束で、雛月を助ける事に失敗してしまう予感がして恐い…。

第三話【痣】

雛月を助けるために彼女と積極的に関わり過去の行動を変えればいいと考えた悟。雛月が失踪したのはいつのことだったか………過去と未来の記憶を手がかりにその日を探る。

スクリーンショット(2016-04-04 14.23.32)

街灯の明かりで幻想的に描かれる公園。ここは雛月が最後に目撃された場所。
『僕だけがいない街』第三話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

雛月失踪の“Xデー”

悟はタイムリープ前に見た誘拐殺人事件の記事を思い出す。昭和63年3月。
犠牲になった3人の小学生のうち雛月だけ10歳とあった、つまり3月の1日から
雛月の誕生日の前日までに、雛月失踪の“Xデー”がある。

誕生日を調べると、加代は3月2日生まれ。つまり3月1日が失踪した日と
判明!この日に雛月を連れ出せば失踪(誘拐)を回避できるはず!

スクリーンショット(2016-01-26 20.57.03)雛月の年齢から、Xデーを導き出だす悟。なかなかの推理。
『僕だけがいない街』第三話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

怪しい人たち(犯人候補)

ヘッドホン少年ケンヤ

小5のわりに落ち着き払った態度で聡明な同級生。度々じぃっと悟を観察している。
しかも3話の最後で、夜に担任教師に何かを報告している。彼は敵か味方か。
ケンヤは何を“知っている”のか?こいつもタイムリーパーなのではあるまいな?

雛月の母

このヤンママは怪しいどころか真っ黒。娘である加代を眺める顔がヤバすぎる。
なんていう邪悪な笑み
を浮かべてんだこの人は。毎週土曜に虐待しては、
娘の顔の傷を世間から隠す為に氷水で水攻めする様が狂ってる。

同棲相手らしき男も水攻めシーンで酒をあおりながら「氷残しとけよ」なんて
言っている。そっちかよ!虐待は完全にスルー。

 スクリーンショット(2016-01-26 20.55.44)娘に向けるものとは思えない悪魔のような表情。
『僕だけがいない街』第三話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

担任教師 八代学(ヤシロガク)

悟の担任。八代学。一見すると正義感があってクラスのトラブルを丸く
収められる頼れる教師のようだが…。時折見せる表情に何か含みがある。
っていうかOPで目線入って、雛月母と一緒に並んでるよね?

スクリーンショット(2016-01-26 20.56.22)OPのワンカット。これはどう見ても担任と雛月の母。
『僕だけがいない街』第三話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

加代を、母の虐待から助ける準備をしてると言うが、本当かどうか怪しい。
普通に思いつくのは虐待母とグルというパターン。

ユウキさん(白鳥潤)

飛行機のペーパークラフトが好きな23歳の青年。加代の誘拐殺人事件の容疑者
とされており、2006年現在、確定死刑囚として刑務所に入れられている。
悟は、彼の人柄を慕っており、えん罪だと信じている。

しかし悟と加代が会っていた様子を遠くから見ていたシーンが思わせぶり。
これはミスリードだろうか。白とは言い切れないが…やっぱり無罪っぽい。

2月のクリスマスツリー

雪山のてっぺんにある大木につららと満天に煌めく星々がイルミネーションする
“クリスマスツリー”。悟と加代がふたりでいるシーンを美しく演出してます。

『僕街』は背景に力を入れてますね。2話と3話冒頭の雪が降り積もった公園を街灯が
色とりどりに照らす画も幻想的で良かったです。

スクリーンショット(2016-01-26 20.54.46)星と氷のページェント。
『僕だけがいない街』第三話より引用
©2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会

あまり感情を出さなかった加代が、クリスマスツリーを悟といっしょに見たシーン
「馬鹿なのっ?」(嬉しそう)感情を込めて喋っており、初登場時とは全く
違ったセリフに聞こえました。冷めてたのに2〜3話で心を開いてきた雛月ちゃん。
やっぱり若干展開が駆け足ですね。

悟の「また夏に見に来よう」のセリフがいい。必ず雛月を助けるという意思
が汲み取れます。がぜん先が気になって来ました。